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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十六話 新星と遺物
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ィオの指した場所へ注目する。そこには確かにEリングにむけて歩くクラナの姿があった。
────
「よし、本番一本目だ。準備良いな?」
「はい、少し、体と動き方の様子見も兼ねつつ行こうと思ってます」
至極冷静な様子でノーヴェと向き合いながら、クラナは言った。ノーヴェは一度深くうなづき、真剣な表情で続ける。
「言うまでもないだろうが……最初から最後まで、落ち着いて行け。冷静に行けば、お前なら勝てる」
「はい……行ってきます」
[相棒、ファイトですよー!!]
静かに首を振るノーヴェに、同じ動作で返してクラナはアルのエールを受けながらリングに上がる。ふと空を見上げると、スタジアム天井に丸く切り取られているそれが見えた。いつも通りの、けれどいつもとはどこか違うように見える、特別な青い空だ。
「(……この景色は、あんまり変わってないな)」
『クラナ!!』
「『ッ!?』」
振り向くと、そこに赤毛を揺らしてまるで太陽のような笑顔を浮かべている女性が居た。慈愛と、覇気に満ちた瞳で自分を見つめる彼女はこちらに向けてサムズアップをすると、自信満々に言った。
『大丈夫、アンタは勝てるよ!!アンタの翼は──』
「…………」
一つ瞬きをすると、五年前の幻想は音もなく消え、ノーヴェが不思議そうな顔でこちらを見ている。
口の端で小さく笑うと、正面の相手を見据えた。
「[Eリング、ゼッケン1115、VS]」
「ハッ、試合前によそ見かよ、余裕綽々だなぁ!元天才少年様は」
「…………」
開始前から、そんな不躾な言葉が体を突いた。相手を見ると相手はかなり近い歳の少年だった。得物は……銃だった。
「…………」
「[ゼッケン1034]」
「?おいおい、まさか銃にビビるなんてことはねぇよな?この魔法文明のご時世で」
「……もちろん」
二丁のオートマチックの拳銃にそれぞれ銃剣を付けたようなそのフォルムは、おそらくは遠近双方に対応するためのものだろう。デバイスではないから模造品だが、魔法弾の発射サポート機構として最低限のものは備えているし、刃のほうは本物のような鋭い光沢を放っている。
「そいつは結構、ビビって動けねー相手なんぞ興ざめも良い所だからなぁ……」
「[Eリング、スタンバイ、セット!]
「相手が過去の遺物とはいえ、少しは楽しませて貰わなきゃ」
「…………」
嘲笑するように歪む表情を、クラナは正面から受け止める。真っすぐに見つめあったその顔は、明らかにこちらの反応をうかがって面白がっていた。
「[レディ──]」
「参加した意味が、ねぇってもんだ!!」
「[──ゴー!!]」
開始の合図がなる、と同時に、相手は銃口をこちらに向けた。クラナがその場から飛びのくのと同時に、小さな、けれどはっきりとした発射音が
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