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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十六話 新星と遺物
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ノは苦笑しつつ肩をすくめる。

「あはは……ちなみに、世界代表戦優勝者はあのジムから今までに5人出てますよ」
「……その全員が、あの人の生徒」
「は、なるほどな、言ってみりゃあの爺さんは……」
「優勝者メーカー、みたいなもんか……そりゃすげぇな」
「だが……」
ふむ、といった様子で、シュウは顎に人差し指の第二関節を充てる。

「どした?」
「いや、あのご老人は引退したと聞いていたものでな。あるいは……彼のその判断を覆すほどのものが、あの少年にはあるのかもしれん」
「……ふぅん?」
「ところでライノスティード」
「ん?」
「先ほどからお前の後輩たちが固まっているが、大丈夫なのか?」
「え?あっ……」
「「「「…………」」」」
見ると、シュウの言う通り先ほどの試合を見たままの状態で四人娘が完全に固まっていた。

「お、おいお前ら大丈夫か?」
「あ、は、はい!」
「大丈夫です!!」
「ちょっとだけびっくりしただけなので……」
チビーズがこくこくとうなづいて答える。

「アインハルト〜?」
「はい、あ、いえ……私はその……見事な試合運びだったので……」
「あぁ、そっちね」
どうやらアインハルトだけでなく四人とも、アッという間に終わった試合の流れに茫然としていただけらしい。

「俺はてっきりあのボクシング少年が容赦なさすぎてまた「男子の部怖いです……」とか言い出すのかと」
「そ、そんなことないです!」
「みなさんとってもいい人ですし!!」
リオとコロナが立て続けにライノの言葉を否定し、彼の後ろにいた男性陣は各々微笑んだり苦笑したりとしている。

「ヴィヴィオ的にはどうだったよ?彼奴のパンチ、お前は見えたろ?」
「え?あ、はい一応。ただ……」
「?」
「その、あの子最初から最後まで、すごく綺麗な笑顔だったので、そっちが気になったというか……」
「へぇ、面白いとこ見てんな」
「そ、そうですか?そんな暇あるなら、技術のほうをちゃんと見ておいたほうがよかったかなって思ったんですけど」
えへへ……と、やや照れくさそうに笑うヴィヴィオにライノは微笑んで肩をすくめる、と、その時である。

「[ゼッケン 1034番1115番の選手、Eリングに向かってください]」
「あっ!」
「おっ」
ライノとヴィヴィオの反応は同時だった。ゼッケン1115は、クラナの番号だからだ。

「さて、彼奴は……」
「あそこです!Cリングのそば!」
「……おぉ(早……)」
先ほどまで間違いなくAリングの試合に目を奪われていたはずだというのに、この広い会場で発見がとんでもなく早い。

「(ったく、兄妹だよなぁこういうとこ……)」
やれやれ、といった様子で苦笑するライノに気が付く様子もなく、全員の意識がヴィヴ
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