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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十六話 新星と遺物
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そ世間一般で言う少女のそれである事に違いはない。大使自分は十台も後半の成人近い男性である。だが、彼女達の目には……否、ほかの二人を含めた、目の前の四人の少女の目には、すでに始めあった気負いがない。
およそどのような人間であれ、人は他人について得られる情報を脳で受け付けたとき、無意識に自身にとっての相手の脅威度について考えているものだ。自分と相手の間に横たわる実力差に目を向け、脅威で無いと判断すればその目には安心や余裕が、脅威であると考えればその目には恐れや警戒といった、気負いが混じる。
実際、初め目があったとき彼女達の目にはそれがあった、そうも露骨に気負いをもたれたまま試合を観戦するのではこちらとて気を使ってしまう。そう考えて軽く脅かして突っ込まれることでその場に溶け込み、特に自分が脅威でないことを伝えようとしたのだが……

「(こりゃあちーっとばかし余裕ぶちかましすぎてたか)」
はは、と心の中で自嘲して、スルトはニヤリと笑った。

「おうよ、いつでも相手になってやる。二人まとめてでもいいぜ〜」
「「はいっ!」」
これは今年は女子の部を見に行くのも楽しそうだと、スルトはもちろん、周囲の男子達も感じていた。

「……ん?おい、何ぞまた面白そうなのが出てきたぜ」
「ほう?」
「……面白そう?……どこ?」
「あそこだよ、Aリング」
其処にいたのは、ひとりの少年であった。軽くトントンとリングの感触を確かめるように跳ねる彼は、その日に焼けて黒くなった顔に楽しげな笑顔をうかべて、シュッシュッと拳を左右に繰り出す。
ただ、問題なのはその少年の格好であった。
有り体に言えばそれは、半裸だった。下半身に身につけた短パンのような服以外、何の装いも身につけていないのだ。

「な……な、な……!?」
「う、わぁ……」
「……!?!!?」
「な、なんで服着てないんですかあの子!?」
絶句するコロナ、ヴィヴィオ、アインハルトに変わるように、リオが耐えきれなくなったように叫んだ。
現代の競技魔導格闘戦技においては、女子の部では殆ど誰であれ、当然ながらしっかりと防具替わりに服を着るのが普通だ。どんなに軽装の競技者でも、あそこまで肌を晒すことはないし、そもそも人前で半裸になっている少年を、少女達は始めてみた。

「なんだお前ら、ああいうスタイルの奴は見たこと無かったのか?」
「す、スタイル?」
「機動性を最大まで重視した武道のスタイルがあるんだよ。そのためにああやって最低限まで装甲を減らすんだって」
「そ、装甲……」
だからって服を脱ぎすぎではないだろうか。少女達はそんな風に思ったが、男性陣の反応を見るに一般的なようだ。
と、不意に……

「……多分、BOXING(ボクシング)……」
「ボクシング……ですか?」
「……ん、
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