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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十六話 新星と遺物
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何かされたとかそういうことではないのだ。ただ……

「彼奴、めっちゃ人見知りするんすよ……」
「あぁ?」
「つまり、今あの人は……」
「まぁ、十中八九クラナになんて声かけりゃ良かったか分からんかったんだろうな……あれで一応、俺らと同い年だし、クラスちげーけど」
「えっ!?」
驚いたような声を出すコロナに、ライノは苦笑しながら顔を向ける。

「今、あの背丈で!?って思ったろ」
「い、いえそんな……」
慌てて両手をハタハタと振って否定するコロナ、どう見ても図星だ。

「……中等部じゃないんだ」
「え、エーデル、遠慮しようよ……」
此方はこちらで、オブラートもビブラートもあったものではない。
首を傾げたエーデルにセイルが苦笑する中、リオがやや興味深そうに聞いた。

「なんていう方なんですか?」
「ん?あぁ、クレヴァー・レイリー。初出場」
「む?」
ライノが名前を口にした直後、傍らに居たシュウが顎に手を当てた。何かが記憶に引っかかっているように首を傾げ、むぅ、と唸り声を漏らす。

「その名は……どこかで……」
「ん?あぁ、たぶん次元統一テストじゃねぇの?彼奴いつも上位だったはずだし……あ、もしくは模試とかな」
思いついたように返したライノに、シュウははっとしたように顎から手を離し、深くうなづいた。

「あぁ……そうだ。毎回かなり上位に食い込んでいる名前だ」
「そんな人が……ってことはやっぱり、文武両道な人なんですか?」
文系ファイターとしての親近感なのか、コロナがやや興味深そうにライノに聞いた。隣ではヴィヴィオも聞き耳を立てているが……ライノは、あっさりと首を横に振った。

「いんや、全然」
「へっ?」
「彼奴運動神経の方はさしてすげーってわけじゃねぇよ。学年でも下の方か……いいとこ中の下だ」
「……じゃあ、格闘技も……苦手なのにIMに……?」
「ま、そうなる」
さしたる事でもなさそうに肩をすくめるライノに、コロナ達はぱちくりと目を瞬いた。

「運動が苦手でも、幾らでも戦いようは有るだろ。コロナだって他の三人ほど運動系じゃねーのに格闘やってんだし」
「そ、そうでした」
意外そうな顔していたコロナが、そりゃそうだと言うように照れ笑いを返す。その様子に小さく笑うと、ライノは腕を組んだ。

「ま、彼奴の場合……」
「……?」
「……いや、なんでもねぇ。それよか格闘型じゃないタイプってんなら、面白いやつがいるぜ。ほれ、あそこだ」
「む……アルフォンス博士か」
ライノがさした先に、一人の青年が立っていた。ほとんど日に焼けた様子の無い肌や黒髪に、黒いメガネ線の細い体の印象はどことなくシュウとよく似ているが、彼とは違い筋肉の付きがあまりなく、こちらはより学者風の風貌だ。と、言うか……


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