2部分:第二章
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第二章
「私ケーキ大好き。他のお菓子もだけれど」
「その美味しいケーキが食べられるにはね」
「ケーキを作る人が努力しないと駄目なのね」
「そういうことよ。これでわかったわね」
「何でも努力しないといけないのね」
「ええ。だから光子ちゃんもね」
どうするべきなのか。母として娘によく話した。
「努力しなさい。いいわね」
「うん、わかったわ」
そして光子も曇りのない笑顔で答えた。そうしてだった。
その美味しいケーキを食べながら努力をしようと思ったのだった。そのうえでだ。
彼女は何にでも頑張った。勉強にもスポーツにもだ。真面目な努力家になった。
その結果勉強も成績もかなりのもので。学校でも優等生だった。その彼女がだ。
高校に入り入部したのは。この部活だった。
「えっ、宮原さんが?」
「うちに入部するの?」
「そうなの?」
「あの、駄目なの?」
同じ一年生の面々に驚いた顔で言われてだ。光子はきょとんとなった。高校生になった彼女は黒いショートヘアで豊かな胸を持つ長身の女の子になっていた。目はたた上を向いているが切れ長の二重で奇麗な目をしている。睫毛は長く多い。唇は引き締まり大人びた感じだ。
その彼女がだ。周りの声に自分が驚いて言うのだった。
「私が華道部にって」
「いえ、駄目じゃないけれど」
「だって。宮原さんってお花とかのイメージないから」
「スポーツよね」
「そちらよね」
「確かに中学じゃテニス部だったけれど」
そこでホープだった。努力の結果大会にも出た。彼女はそこでも努力したのだ。
だから彼女を知っている面々はだ。驚いてこう言うのだ。
「テニスはもうしないの?」
「お花でいくの」
「これまで。お花なんてしたことなかったし」
それでだとだ。周りに話すのだ。背は彼女が頭一つ高い。大体一七〇程はあるだろうか。赤をベースとして首のところに白いフリルがある上着に同じ色のミニスカートの制服は可愛らしい感じの筈だが彼女が着ると妙に大人びた感じになっている。
その制服姿の彼女がだ。同じ制服の友人達に話すのである。
「だからしてみようって」
「ううん、チャレンジね」
「あえて知らないものに挑むの」
「それでなのね」
「できるかどうかわからないけれど」
それでもだというのだ。
「やってみるわ」
「そういうのって凄くない?」
「いや、凄いわよ」
「そうよね」
「努力家って聞いてたけれど」
「本当にそうなんだ」
皆そんな光子に感心さえしていた。こうしてだった。
彼女は華道部に入部した。しかしだった。
この中でだ。彼女は。
正座をする。それですぐに痺れてしまい動けなくなった。立てなくなったのだ。それを見てだ。
顧問の上村智香先生、小柄で子供の様な外
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