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逆さの砂時計
オペラセリアのエピローグ 4
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と努力もせずに、最初から諦めて付き合っていくくらいなら、いっそ、すっぱりきっぱり離れたほうが良い。
 顔も見えない、声も聞こえないくらいの距離を置いたほうが良い。
 でないと、どっちにとっても、いつかは負担になると思うから。

「あの駄犬が私の言葉を一つでも受け止められる相手になったら、私だってちゃんと考える。でも、今のアイツじゃダメだ。……っていうかさあ」
(?)
「冷静になってみろ。お前は知り合いでも、私は最初ベゼドラの本当の顔も知らなかったんだぞ? 通りすがりの他人にいきなり知り合い顔で地下室へ監禁された挙げ句、問答無用でヤられまくり。こんな状況で、相手に純粋な好意を持てるヤツがどこに居る? しかも、その後も追いかけてくるとか。気持ち悪いを通り越して、恐怖から来る寒気すら感じてるんだが。私は」
(…………………………………………。)

 ああ。
 気まずい沈黙が、むしろ嬉しいよ。
 人間期間短めなお前でも、少しは私の気持ちが解るんだな。

 そーだよ。
 クロスツェルとの繋がりやお前の記憶が無かったら、顔も見たくないし、声も聴きたくないくらい、全身全霊で嫌悪してたっつぅの。
 いやもう、嫌いとか憎いとか、そういう負の感情さえも乗せたくない。
 ヤツの全身を余す所なく縄でぐるぐるに巻いて縛って。
 先端を崖先に打ち込んだ杭に固定して。
 本体を崖下に突き落として。
 無様に吊るされ、風に揺れる様子を高笑いしながら存分に見下ろして。
 気が済んだら、そのまま放置して記憶から抹消したいね。

 じゃあ、元々知り合いだったら良いのか?
 とか、んなワケあるか。
 断・然! お断りに決まっとるわ!

「これでも最大限の譲歩はしてるつもりだけど。私はどこかおかしいか?」
(……不思議には思ってる。それでも嫌ってる感じには見えないから)
「別に好意を否定する気は無ぇもん。好きだって言うなら、ありがとよって笑ってやる。そこまでなら私だって悪い気はしないし。ただ、好意を口実や言い訳に利用する言動や態度が気持ち悪くて許せないだけだ。言っただろ。欲しいなら欲しいなりの相応しい態度を見せろ、ってさ。アイツに、それができるかどうか。巻き込んじまった分は待っててやるのさ。仕方ないから。ちゃんとできたからって、こっちが受け入れるかどうかは別問題だがな!」

 待てと伏せを覚えればエサが貰えると思うなよ、駄犬め!

「私より、お前はどうなんだよ」
(……なにが?)
「すっとぼけるな面倒くさい。ベゼドラにも言葉で誤魔化そうとしただろ。他でもないこの私が、解っていないとでも?」

 アリアの表情がどんより曇る。
 本性の片鱗に触れれば、コイツほど分かりやすい奴もそうそういない。
 我ながら単純というか、なんという
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