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SAO−銀ノ月−
第九十三話
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いたリズも、今までの話はキチンと聞いていたらしく。その後ろには謝っているノリと、頬を膨らませているリーファの姿がいたが、それはともかくとして。

「ルークース。あんたはどうでもいいとこで真面目すぎなの。責任感感じすぎっていうか。……そういうとこ、ちょっと似てるかも」

 困惑するルクスの顔に対して指を突きつけながら、リズは説教でもするようにそう言い聞かせた。……最後の言葉は誰にも聞こえないように、小さく小さく呟きながら。それでも何かを言い返そうとするルクスに、言葉を遮るようにリズはさらに言葉を続けていく。

「いい? このリズさんが魔法の言葉を教えてあげる。ここはね、クエストに失敗したところでね、人が死んだりしないのよ」

「え。あっ……」

 何も知らない第三者が聞いたところで、そんなの当たり前だろうと鼻で笑うところだろうが――ルクスには違う。最近までデスゲームに囚われたままだった、彼女にしては違う意味合いを持つ。

「失敗したところでまた頑張りゃいいのよ。せっかくだからこのゲーム、楽しんでいかないとね?」

「そうですよルクスさん! それにこんな探すくらいのクエスト、すぐに終わりますって!」

 そう言いながら気安く肩を組んでいるリズや、NPCの少女と戯れるシリカや、自分を慰めてくれるように鳴くピナを見て、ルクスもつられて小さく笑う。このゲームはもうデスゲームではなく、リズたち友人と遊べる楽しい場所だと、分かっていた筈なのに。

「そう……だね。ちょっと神経質になりすぎてたみたいだ、すまない。ユウキも」

「ううん。何事も楽しい方がいいっていう、リズの意見には賛成だしね!」

 もちろんルクスたちの詳しい事情は分からないけれど、ユウキはそれには触れずにすると、ルクスたちにメッセージを送る。パーティー申請――一緒にクエストを攻略しよう、という申し出。

「みんなでサクッと終わらせちゃおう!」

「ついでに一位ゲットも、ね? ほらリーファ、いつまでもヘソ曲げてないで」

「むぅ……」

 何だか盛り上がっていることドサクサでうやむやにされたけれど、リーファもわざわざ蒸し返すことはなく、気合いを入れるようにみんなで拳を天に挙げる。そんな様子に満足げに笑みを浮かべるとユウキは砂浜に膝をつけてNPCの少女と同じ目線になり、クエストを進行させるために話しかけていく。

「そういえば、君の名前は?」

「エメリ!」

「……え、エメリちゃん。お姉ちゃんとはどこではぐれたのかな?」

 ……話を聞く、前に。そういえば名前を聞いていなかったことを思い出し、まずはNPCの少女の名前を聞きだした。先程まで泣いていたのが嘘のように、すっかり笑顔になった少女が自身の名前を告げのを聞き、そんなユウキに
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