4部分:第四章
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第四章
「とにかく。それはないか」
「ないな」
「じゃあ寄生虫は消えたな」
「ああ」
何はともあれその可能性は否定されたのだった。
「だとすると一体何だ?」
「運動してるにしろな」
それでもだった。とにかく謎は全く明かされてはいない。だからこそ彼等はまだ話を続けるのだった。そのうえで今度はこうした意見が出て来た。
「お茶か?」
「お茶?」
「そう、お茶だよ」
一人が言ってきた。
「お茶な。ほら、中国にあるらしいな」
「ああ、飲んだら痩せるお茶か」
「それか」
「あいついつも水筒学校に持ってきてるじゃないか」
見ればその通りだった。今も他のクラスメイトのところに出張して空になっているその机の上に魔法瓶タイプの水筒がある。彼等はそれに注目しだした。
「あれだけれどな」
「そういえばジュースとかな」
「飲んじゃいるけれどな」
飲んではいるのである。
「それでもそれ以上にあの水筒のお茶飲んでるよな」
「ああ、そうだな」
彼等は水筒を見ながら話を続ける。
「じゃああれか?あの水筒にそのお茶が入ってる」
「それか?」
「それじゃないのか?」
こうした考えに至るのだった。
「やっぱりな。それだと思うんだけれどな」
「かな。やっぱり」
「それか」
「飲み物も大事だからな」
口の中に入れるものであるからこれは当然だった。食べることと飲むことは同じか、いや考えようやケースによっては飲むことの方が重要である。そういうものなのだ。
「だからな。ひょっとしてな」
「それか?だったら」
「お茶か」
「そうじゃないのか?」
最初にお茶を出した彼が周りの言葉に応える。彼もまたそのお茶が入っているかも知れない水筒から目を離さないのであった。
「やっぱりな」
「その可能性はあるな」
「だよな。確かに」
皆お茶の話には納得した顔になって頷きだした。
「お茶飲むのって身体にいいしな」
「じゃあそれか?」
「それだけか?」
しかしここでまた意見が出て来たのだった。
「それだけか?」
「それだけかって?」
「まだ何かあるのかよ」
「あるかも知れないぞ」
その意見を出したメンバーが言った。
「ひょっとしたらだけれどな」
「ひょっとしたらか」
「ああ。お茶だけでもやっぱり無理だろ」
彼は言うのだった。
「確かに運動して育ち盛りで尚且つ太らない体質だとする」
「ああ」
この三つの仮説もまたここでも述べられた。
「そこにお茶をプラスする」
「これで四つだな」
「この四つだけでもだよ」
彼は言うのだった。
「足らないだろ」
「食ってるからなあ」
早輝をあらためて見る。流石に今は食べてはいない。食べている時間自体はそれ程長くはないようである。しかも
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