暁 〜小説投稿サイト〜
女の子の秘密
2部分:第二章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

第二章

「それ、絶対違うぞ」
「違うか?」
「あいつ肉とか揚げ物とか甘いものも好きだろうが」
「あっ、そういえばそうだな」
「見ろよ」
 ここで後ろを指差す彼だった。そこにいる早輝をだ。
「牛丼十杯だぞ」
「ああ」
「しかも特盛りだぞ」
 吉野家で一番大きいメニューである。
「肉食わないなんて思えるか?」
「いや」 
 そこに答えがあるのだった。
「じゃあやっぱりそれか」
「大体この前だってお昼のデザートにドーナツ何個も食ってただろ」
「ミスタードーナツだったよな」
 ドーナツといえばこれだった。この吉野家の近くに丁度あるのである。
「じゃあ揚げ物もか」
「今日もコロッケ食ってたしな」
「甘いものもな」
 全部であった。
「何でも食うんだな」
「しかも太りそうなものもな」
「カツ丼もラーメンも大好きみたいだしな」
「この前学生食堂でどっちも大盛りで食ってたぞ」
 男子学生の食べるようなものだがそういうことは全く意に介さないようである。
「それに一緒に特大ハンバーガーもな」
「ああ、マクドのハンバーガーも何個も食うよな」
「だよな。太るものばっかりじゃねえか」
 答えが完全に出てしまった。
「で、何で太らないんだ?」
「あんなに細いんだ?」
 答えが出ても謎は残る。それについて首を傾げる段階になった。
「それがわからないよな」
「足だって奇麗だしな」
「部活。やってたよな」
 次にこのことが話された。
「確か。バレーボール部だったよな」
「ああ。レギュラーらしいな」
「うちの女子バレー部強いけれどな」
 彼等の学校のバレー部は全国大会の常連である。かなりの強豪であると言っていい。早輝はそのバレーボール部でレギュラーというわけなのだ。
「運動してるからか?」
「しかも成長期だしな」
「それで太らない体質だとか?」
「いや、その三つが仮にあったとしてもよ」
 彼等の中の一人が皆が挙げてきた根拠と思われるものに対して反論を出してきた。
「あれだけ食ってるのに太らない筈がないだろ」
「だよな。力士並に食ってるからな」
「まじでうちの相撲部とかプロレス研究会と同じ位食ってるよな」
「なあ」
 力士やレスラーといったものがどれだけ食べるのかということは最早言うまでもなかった。何しろ彼等は食べることも仕事であるからだ。食べて身体を作るのである。
「バレーボールって相撲やプロレスとは違うからな」
「あんな巨大な身体でぽんぽん飛び跳ねられるか?」
「いや、それはない」
 これは速攻で否定された。皆頭の中でまわしを付けた巨大な小錦そっくりの力士やジャイアント馬場の様なレスリングシューズの巨人がバレーボールをする姿を思い浮かべた。どう考えてもそれは有り得ない光景であっ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ