22話 戦場の蠢動 5.11
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けるのに必死だった。
スレッガーはGP03の装備を見て、通信でコウに語り掛けた。
「おい、そこのパイロット」
コウはスレッガーの応答に驚いた。
「はいっ!何でしょうか?」
「実弾武器はあるのか?とびっきりのやつとか?」
コウは全方位追尾型ミサイルポットの存在を伝えた。スレッガーは「そいつをあのデカブツにお見舞いしてやれ」と言った。
コウはスレッガーの言うことに従い、ノイエ・ジールに目がけてミサイルポットを放った。放ったミサイルポットの目標が全てノイエ・ジールに目がけて追尾して行った。
「南無三!」
ガトーは無数の小型ミサイル群の接近にビームで薙ぎ払ったが、全ては撃ち落とせず、ノイエ・ジールの部分的各所にミサイルが直撃していた。
「ぐっ・・・」
ガトーは衝撃でコックピット内が上下左右に揺れた。ダメージ損傷率とエネルギー残を確認し、これ以上の戦闘継続は難しいとみて、その場を去り、デラーズ艦隊へ向かって行った。
ガトーは艦隊へ向かいながらも、パイロットスーツの腕の部分に負担の掛かる肉体への即効性鎮痛剤を注射していた。
「っぐ・・・ふう・・・」
ガトーは一息付き、ノイエ・ジールの初実戦とハスラー提督の話を振り返っていた。
「(少しやり過ぎたかもしれん。ここまで損害を被るとは思いもよらなかった。そして、ゼナ様の言が真であるならば、このジオン本隊が危険かもしれない。デラーズ閣下はギレン総帥の懐刀。それを承知で加わっているのか・・・)」
ガトーはギレンの出方次第でゼナの下へ参じようかと考えていた。
「(デラーズ閣下が主と仰ぐ総帥の器量をこの戦で見極めることができるかもしれん・・・)」
今のジオンの思想はガトーの思い描くものとはかけ離れているようで、ただ戸惑っていた。
ガトーの志は連邦に対するスペースノイドの権利主張のために戦っている。ジオンはそのような支持者の集まりであると考えていた。
しかし、ギレンはその中でもさらに選別しようと考えていると噂されていた。その選別方法は肉親ですら除外するほどの苛烈さ。敵味方問わずに進めていく覚悟や実行力にガトーは不義理にしか思えなかった。
コウは去っていったガトーをカメラの望遠で眺めた。自分に悔しさを覚えていた。
もっと上手く扱えていたら、斃せたかもしれないと。
「ガトーめ・・・まだ、オレの腕が及ばないのか・・・」
その科白を聞いていたスレッガーはコウに語り掛けた。
「そうだな。ガンダムのパイロット。あのモビルアーマーを相手にはお前さんじゃあ、ちょっと足りないかもな」
「足りない?」
「そうだ。熱くなると見えなくなる。お前さんに必要なのは<客観視>だね」
コウはスレッガーに言われた
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