22話 戦場の蠢動 5.11
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顔つきでシャリアに答えた。
「私にもそれなりに野心があります。国の一つでも制して王にでもなれればと思い、覇道を志すグレミーに付いてきました」
シャリアはラカンの告白に笑っていた。
「フッハハハ・・・。完全にギレン閣下への反逆とも取れる答えだな。グレミーも覇権を狙っているのだな」
「ふん、悪いか。ギレン閣下と言えども人間だ。グレミーもそうだが、男に生を受けたからにはでっかく生きたいもんだろ!」
シャリアは更に笑った。ラカンは赤くなった。
「そんなに笑うことはなかろう!」
「・・・っつ・・いや、すまないな。はあ〜、ラカンよ。それ程分かり易ければ、問題ない」
ラカンは落ち着きを取り戻し、別の話に戻した。
「ところで大尉。我々の出番はいつですか?」
「戦況次第だ。うるさい両軍が消えた時、我々の出番がやってくる。ちょっとばかりフロンティアになるが、それだけ平らげるにはやり応えがあるだろう」
「ほう。それはそれは・・・。武人として誉れ高いことよ」
ラカンは自信満々で胸を張り、シャリアに語った。シャリアはギレンの計画を興味深く思っていた。
限られた、選ばれた者しかこの先生きる価値なしと。自分にも少し思い当たる節を感じた。それは木星を見た瞬間、「なんと・・・スケールが違う・・・」と。
今までの人生を否定された、あの圧力に触れたことに地球に囚われている地球圏の人たちをとても小さく切なく感じていた。それを打開しようとしているのがギレンだった。
「まあ、ラカンよ。私が思うところは人類の革新である故に、お前の働きも期待することにしよう」
「ああ、大尉。新しい世界を私が見せてやる」
そう言って、2人は自身らの新モビルスーツを眼下に見下ろしていた。
* フォン・ブラウン上空 同日 15:00
マ・クベは艦隊をもって廃棄されたコロニーを月に落とすとフォン・ブラウン市へ警告していた。
「フォン・ブラウンよ。選択の時だ。生憎我々の移送中のコロニーは推進力を失い、フォン・ブラウンに墜落を免れない。ただ、君たちの選択で、推進力を得ることによりそれが回避される。が、君たちもその時は共犯だ。地球のひとたちは君たちを許すことはないだろう。元々、虐げられた者たちがスペースノイドだ。ここで地球との決別をする機会が与えられたのだ」
マ・クベは艦橋で放送をし終えると、フォン・ブラウン市のカメラ映像を艦橋のモニターに映した。案の定大混乱だった。暴動に近い騒ぎで、皆、港へ急いでいた。
「・・・ここまで易く予想できることはないな。市場も大混乱だ」
マ・クベの言う通り、フォン・ブラウン関連の株価が軒並みストップ安に転じていた。ギレンはそれを利用し、空売りをしていた。既にマ・クベ
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