22話 戦場の蠢動 5.11
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叶っているものだ。だから放置してある」
シャリアは顎に手をついて、考え込んだ。シャリアもフロンタルに会ったことがあった。彼からシャリアに対して、「君にも素質があるな。ギレン閣下のために伸ばしていくと良い。それが私の希望でもある」と言われた時、何か良からぬ疑念がシャリアに植え付けさせた。
艦橋に1人の金髪碧眼の少年が入って来た。ノーマルスーツを着込んでいた。その眼光は鋭く、フロンタルによって、フラナガンで調整されたとも噂されていた。
「ギレン閣下。私の部隊の最終演習が完了致しました。いつでも配備可能です」
「そうか、ご苦労グレミー」
その少年はグレミー・トト。弱冠13歳にして、フロンタルにより素質を見出された逸材であった。
最近になってアクシズとの交流で、反ギレンはである者たちの中で、グレミー等がアクシズの技術力を持って、ギレンに仕えていた。
シャリアのグレミーを見て、その末恐ろしさを肌で感じていた。
「(何たるプレッシャーを抱えているんだ。ギレン閣下はこの少年を恐れてはいないのか・・・)」
言わずともグレミーを恐れているように見えたシャリアにギレンが気づき、笑っていた。
「ッハッハッハ。シャリアよ。グレミーを怖がっているのか?相手は高々少年だぞ。ほんの少しできる奴だがな」
ギレンの言葉にグレミーも笑っていた。
「っくっく・・・確かに。総帥の言う通りですよ大尉。私はちょっと変わっておりますが、ギレン閣下の大願成就のために尽くすだけです」
シャリアは2人の返答に言葉が出なかった。化け物が2人目の前にいることに居心地の悪さを若干感じたため、その場を後にした。
「閣下。自分はモビルスーツ隊の様子を見に行って参ります」
ギレンはシャリアの気持ちを汲み、許可した。
「すまんな。私一人でも持て余すだろうにお前には苦労かける、シャリア」
「い・・・いえ。閣下の覇道に役立てることができるならば・・・」
そう言ってギレンに敬礼し、シャリアはモビルスーツデッキへ向かった。
シャリアが着くと自分の部隊配下でアクシズからの有志であるラカン・ダカランがシャリアに近寄ってきた。
「大尉!どうしましたか?少々憔悴しているようですが・・・」
ラカンは心配そうに声を掛けてきた。シャリアは手で挙げて「大丈夫だ」と伝えた。
「お前の支持するグレミーの雰囲気に当てられてな・・・。ちょっと根負けしたのだ」
「成程。私にはよくわかりませんが、彼の胆力は13歳とは思えないものです。彼の下なら私の才能を存分に発揮できると思ってね」
シャリアはラカンの期待に興味を示した。
「お前の才能か・・・。貴官の望むものは、グレミーに期待するところとは?」
ラカンは神妙な
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