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逆襲のアムロ
22話 戦場の蠢動 5.11
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副長に任せる指示を出していた。コウの質問にも、副長へ命令した後に答えた。

「そうだ。体裁は必要だ。この戦いで更に連邦の力が誇示されるだろうよ。そのための布石として、まずは連邦が月も全くは見捨ててはおりませんと言わんといけない」

スレッガーは笑っていた。コウもその意見に同感だった。

「そうですね。恩の売り買いで本当の被害者である市民をないがしろにしています。人情味とはちょっと掛け離れますね」

スレッガーはコウの回答に頷いて答えた。

「その通り。全てが駒なんだ。それが世界の上に立つ者の考え方だ。オレも手の届く距離のものでも守れればいいさ。それ程欲深くはない。欲をかいて良い試しがないからな。将軍クラスになると最善な手がまるで悪手のように感じる。訳が分からないと思う。何事もバランスは大事で、その中で客観視を鍛える。まあ、少尉がそのクラスまで望む話なら別だが・・・」

コウは軽く首を振った。

「やめておきます。当面の目標はあのモビルアーマーを倒すこととコロニー落下阻止です。そのための空間認識を鍛えていこうかと」

「懸命な判断だな。まあ期待してるぜ少尉。何せ、そのガンダムが期待の証拠だからな」

そうスレッガーがコウに激励すると、傍に石ころが急に増えてきた。
スレッガーはようやく到着したかと思った。

一方のコウは急に増えだした小惑星の石ころに驚いていた。

「なんだ、この石は・・・」

スレッガーはコウにこの石について説明した。

「少尉。これがジオンに打ち勝つための手段だそうだ。物量兵器だ。これはどんな決戦兵器でも太刀打ちできないだろう。しかし、これもまたいい考え方ではない。核を生み出した人類はソーラレイという決戦兵器を生み出し、これからも更に危険な新兵器開発の考えが増長して、いずれは身を滅ぼすのかもしれないな・・・」

コウはスレッガーの話を聞いて、自分の乗る機体についても同様のことを考えた。

「これもまた、危険思想な代物なんでしょう」

「ああ。そうだな。オレのジム・カスタムもそうだ。しかしそうは言っていられない時代な訳。なんか切ないよね〜」

スレッガーとコウは流れゆく小さな隕石が流れ、戦場に向かう様子を感慨深く眺めていた。

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