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逆襲のアムロ
22話 戦場の蠢動 5.11
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ことを少し考えた。そして周囲を見渡した。
ノイエ・ジールが荒らした戦場でスレッガーの部隊はそこそこの被害だった。

「客観視?」

「そうだ。情熱やこだわりである程度の技術向上はできるかもしれん。しかし、その先の成功を収めるためには自分をそこにおいて全体を把握する必要がある。戦術レベルで何かを取り組むにしても、その戦場を戦略的に見る、空間的に把握する必要がある」

コウはスレッガーの話に耳を傾けていた。

「オレみたいな部隊を指揮する立場の人間はそういう技量を鍛えているのさ。凡人ならでは効率よく動ける様にすれば、それ程第六感のようなものが無くても最善の手を選べるようになるのさ。最善の手は大抵安全だ。それを選ぶことにより、部下も死なないし、自分の生存率が高くなる。それは敵を倒せる確率が上がるってことだ」

コウは下を向き、反省していた。自分の仕事は早くモビルスーツに慣れること。それでこの火力を全面に発揮し、敵を倒す。その事だけに執着していた。しかしその全面に発揮するという点において、コウの考え方では発揮できないということを突き付けられていた。

スレッガーは反応のないコウの様子を汲み取り、宥めるように話し掛けた。

「オレはこの部隊長のスレッガー・ロウ大尉だ。まあ・・・その技術ならば、まだ若いってことさ。伸びしろなどいくらでもある。今日の教訓を意識して、動くことこそが大事なのだよ」

コウは部隊長のスレッガーから挨拶されたことに反応し、上官であることに敬礼していた。

「ロウ大尉!小官はコウ・ウラキ少尉と申します。アルビオンのシナプス隊のパイロットです」

スレッガーはシナプス隊と聞いて、ワイアット将軍から聞いた援軍の話を思い出した。

「そうか。君たちが主攻の要か・・・」

「主攻の要?」

「ああ。月のコロニー落下防衛の陽動と演技。そこからの主戦場への転進。そして、オレら左翼の攻撃による地球へ向かうコロニーの落下阻止。君たちの働きのお蔭で、我々はこのように真向からジオンを対峙できる。さもなくば、艦隊から多少は月に派遣せねばならなかった」

コウはワイアットの大局を見る目に感銘を受けていた。シナプス隊の効果のないような行動が全体を活かしていたことを。
スレッガーはそんな反応をするコウに心配して、語り掛けた。

「客観視も行き過ぎると、将軍のような全体把握をするようになる。あの辺の人の住まう世界は我々とは大分違うな。真似するものではない。月は脅しに屈し、地球へコロニーを送るだろう。ワイアット将軍もそこは既定路線だ。月は地球から恨まれる発想を連邦という世界警察が全てはジオンの罪として、月に恩を着せるということを狙っている」

「そのために小官らを派遣したのですか」

スレッガーは部隊の再編を
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