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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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つもの現実でのハードルを机上でクリアしていった。……最後の関門は もう 既にリュウキ君が暴いてくれた様だけどね」

 菊岡の話を訊いて、詩乃は思い返していた。
 あの日、隼人が外で言っていた言葉、恭二が、恭二達が関門と称していたモノ。個人情報の入手が出来たとすれば、次は1つしかないだろう。

「侵入、ですね。標的の家への」
「そう、……色々と事情は聞いていてね。昌一の供述を訊く間でもなく、それは判ったんだよ。冷静に考えたら、まさに明瞭だからね」
「……ああ、そうだな。あの時は 色々と慌ただしくて、病室だし 少しは休みたかった所に どうもありがとう」
「あ……そ、その節は申し訳なかったとしか…… 思っていた当初以上に大きな事件だったし……」

 またまた、子供の様に縮こまってしまっている菊岡。

 そう、病院に運ばれて色々と処置を受けて、そこまでの怪我ではなかったけれど、それでも アドレナリンが出ていた事で 薄れていた痛みも冷静になると同時に思い出してきて、身体中が痛いと感じたのは、初めてだった。それは 朝まで続いて……色々とあって 本当に疲れが感じていた所に、菊岡がやってきたんだ。渚は 遠慮をしてくれたんだけど。

「……そう、だったね」

 詩乃は軽く苦笑いをしていた。あの時 詩乃も病院にいたから、知っていたのだ。
 そして、色々(・・)とあった、と言っていた真意も。

「ま、まぁ それはそれとして、彼らはマスターコードと高圧注射器、それに劇薬のサクシニルコリンを父親の病院から抜け出す算段をつけた。――そうやって、計画を進めたって。……ここから先は、昌一の供述がなければ判らなかった事、だよ」

 菊岡の表情が一気に険しく、そして強ばったモノへと変わり、続けた。

「――そうやって計画を進める事、それ自体がゲームだった、と供述しているんだ。……自分の供述を取っている刑事に向かって、『あんたも同じだろう』とも口にした様だ。『NPCの話を訊き、情報を集め、賞金首を捕らえて引き渡し、金を得る。警察のやってることだってゲームと一緒じゃないか』とね」

 その表情と言葉を訊いて、話を黙って訊いていた和人が口早に答えた。

「額面どおり受け取らない方がいいぜ」

 その不意の言葉に、微かに菊岡は眉を動かした。……隼人は頷いた。

「その昌一氏はある部分では、本当にそう思っているのかもしれないが、《赤眼のザザ》だった時のアイツは、これはゲームなんだと自分と周囲に強弁しながらも、プレイヤーの死が現実のものと理解していたからこそ、あそこまで殺人行為に魅せられたんだ」
「ああ。……それでいて、仮想世界ででも、現実世界ででも……、自分にとって都合の悪い部分は、リアルじゃない、と信じ込んでいる様だ」
「……まさにV
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