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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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も変わらない。どんなMMOでも《隠れ身(ハイディング)》ってのは、定番スキルだ。無いMMOを探す方が難しいだろう。……だが、正直VRMMOではやりすぎだ。悪用の余地が多すぎる。どんな世界ででも、知られたく無い情報というモノは有る筈だから、な」

 いろんなゲームをしてきた隼人。それは和人も同じだから、同意する様に頷いた。

「だな。VRMMOでの隠れ身は。……現行的に言えば、少なくともGGOで言えば街中。そこでは 使用禁止にすべきだな。……お、そうだ。今度ザスカーに投書しておいてくれよ、シノン」

 色々と考えを張り巡らせていた所に、突然話を振られた為 詩乃は慌てて言い返した。

「そ、そんなの あなたがしなさいよ。 ……PKに走った。……つまり、《死銃》が生まれた切欠そのものも、あのぼろマントだったんですね」

 後半部分は、菊岡に。そして 視線こそは 向けてないものの、隼人にも向けた言葉だった。
 隼人は無言で 軽く頷き、菊岡も同様に頷いていた。

「……そういう事だね。リュウキ君も言っていたけど。行為に及んだ切欠。……《死銃》と言う存在が生まれた切欠、始まりがそこだったんだよ。昌一は 盗み見た個人情報を反射的に記憶して、ログアウトして書き留めた。……その時点では具体的にどうこうしようとは思ってなかったようだ。……行為そのものを楽しんでいた、と言っているよ」

 菊岡がそういうと同時に、隼人は口を開いた。

「死銃。……始まり。 つまり 《ゼクシード》のあの(・・)ミスリードが 本当の死銃誕生の切欠だった、と言う事か……?」

 隼人の言葉に、菊岡は 軽く笑みを見せた後、親指と人差し指の先を ぱちんっ と弾いて言った。

流石だね(That's great.)。 10月某日。弟の恭二は昌一に向かって、自分のキャラクターの育成が行き詰っていることを打ち明けた。リュウキ君の言う様に《ゼクシード》と言う名のプレイヤーが広めた偽情報のせいだ、と盛んに恨みを口にしていたらしいね。……そして」
「昌一も、ゼクシード氏の個人情報を持っていた」
「その通りだよ。キリト君」
「っ………」

 詩乃は、3人の結論を訊いていて、はっきりと判った。……そこ、だったのだ。恐らくその瞬間に、恭二の中の仮想世界と現実世界を隔てる壁は少しずつ溶け始めたのだ。

 菊岡は、続ける。
 
 その言葉が滑らかに詩乃の耳元を通過していく。

「……どちらか一方が考えた事ではない、と昌一は言っているね。2人で考えたんだと。あれこれ言い合っている内に、《死銃》計画の骨子が出来上がったそうだ。しかしそれでも、最初は単なる言葉遊びだったんだと、彼は説明をしている。……でも、2人は連日の様に議論を重ねて、実際に行為をする為には いく
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