アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの再開を 02
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
固まった僕に首を傾げるアマリに、どうにかそれだけを返してもう一度メッセージを確認する。 どれだけ確認してみても、そこにある衝撃の内容は変わらなかった。
明日、キリトとアスナさんがコンビで迷宮区に潜るらしい。
そこまではいい。 アスナさんがキリトに一定以上の好意を寄せていることは、会う機会の少ない僕にだって簡単に分かることだ。
あの純粋でまっすぐなお姫様は、半ば無理矢理に同行を認めさせたのだろう。 確かエギルさんの店でラグー・ラビットの肉がどうとか、シェフがどうとか言っていたので、S級食材を調理する条件として提示したのかもしれない。 あるいは、単純にごり押ししたのか。
問題は、そのパーティーに僕とアマリが招聘されていると言うことだ。
いやもう、本当に訳が分からない。 久し振りに会ってあれだけの嫌われようだったのに、直接ではないにせよその日のうちに僕をパーティーに誘うとか、意味不明にもほどがある。 しかも、僕を絶対に連れて来いとアスナさんに厳命されているらしい。
と、謎の事態に困惑している僕の目の前で、今度はアマリがメニューウインドウを開く。 数秒の操作の末、ウインドウから顔を上げたアマリが一言。
「あはー、デートのお誘いですよー」
タイミング的に差出人が誰かも、そして大体の内容にも察しがついたけど、僕は一応確認してみることにした。
「えっと、ちなみに誰から?」
「んー、お姉ちゃんですよ」
「ですよねー……。 ちなみに内容は?」
「一緒に迷宮区に行こう、だそうですよ。 フォラスくんも連れてくるように言われたです」
僕とアスナさんとの関係を知っているはずなのに、アマリはにこやかにそう言った。
予想通りすぎる展開に頭痛がするけど、だからと言って無視する訳にもいかないだろう。 キリトとアマリに僕の連行を頼んでいる時点で、その思惑は不明でも譲歩するつもりがないのは明確だ。
純粋でまっすぐ。 可憐な容姿からは想像できないけど、あのお姫様は自分の意志をどんな状況でも貫き通す。
「一応聞くけど、僕に拒否権はないのかな?」
「ある訳ないですよー。 お姉ちゃんからの命令は必ず遂行するのがこの私です」
「ですよねー……」
ため息にも力が入らない。
と言うか、意味が分からない。
今更、僕になんの用があるのだろう?
僕の自由は血盟騎士団の団長、いけ好かない聖騎士様の名によって保証されている。 故に僕を牢獄送りにはできないはずだ。 アスナさんも血盟騎士団のメンバー(しかも副団長だ)なので、命令に真っ向から反したりはしないはず。
それを言えば、僕の連行自体が命令違反になりかねないけど、アスナさんはキリトとアマリに頼んでいるだけなので、その辺りはグレーと言う
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ