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逆さの砂時計
オペラセリアのエピローグ 3
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るわ」
「はあ? お前に言われたくねぇよ。悪魔で神で人間混じりの、結局何だか判らん謎生物のクセに」
「……そうね。創造神を映した悪魔のレゾがお父さんで、神々に仕えていた半神半人がお母さんで。でも、私は人間世界で人間として育てられていて。私自身が複雑すぎて混乱しているわ。だって私……レゾが好きだったのよ」

 ああ?

「世界中でたった一人だけ、ずっと傍に居てくれたから。恋や愛とは違うと思うけど、信じてはいなかったのに……ずっとずっと、……好きだったの」

 ンなこと、俺に言ってどうすんだ。
 レゾネクト本人に言え、本人に。
 俺を気休めの道具にすんな。
 ご愁傷さまとでも慰めて欲しいならお門違いだ。
 この女、どこまでもウザい。

「そのおかげで、クロスツェルがうんざりするくらいまとわりついてくれるだろうよ。あれはかなりしつこいぞ。それこそ逃げたくなるかもな」

 コイツのどこがそんなに良いんだか、俺にはさっぱりだが。

「……本当に変な悪魔ね。貴方、どうしてそんなに人間が好きなの?」
「は?」
「慰め方が人間ぽい。人間を理解していなければそんな風には言えないわ」

 どうして今のでそうなる。
 慰めてねぇよ!
 地味に前向き思考か、お前!

「クロスツェルには幸せになって欲しいけど、私では、多分無理。だから、彼が生きている間は、ロザリアに体の主導権を預けるわ。貴方にもお願い。彼を見守ってあげて」
「アイツは知らん。どうせ力での延命を拒否ったんだろ? 自分で死ぬとか言うヤツを護ってやる義理は無い」

 俺と再契約する時、アイツは自分で念を押しやがったからな。

『貴方の力を、私に貸し与えてください。私は自分のすべてを……存在を、貴方に提供します。然るべき時に、然るべき対処を。この契約はロザリアを取り戻したと確実に言える状況になるまでです』

 人間の枠や常識にさえ囚われなければ、クロスツェルがアリア並みに永く生きる方法はたくさんあるんだ。
 だがアイツは、自己責任だからと言って、全部棄てた。
 ロザリアともう一度会う為だけに、自分の命も棄てたんだ。
 そんなわがままに付き合う必要がどこにある。

「……貴方は、クロスツェルが本当に好きなのね。そうでなければ不機嫌になるところじゃないわ」
「はあああ? だから、そういう気持ち悪ぃ物言いはやめろ! ロザリアに代わるってんなら、とっとと代われ! へし折るぞ、翼!」
「しないでしょう、貴方は」

 翼を広げたアリアがふわりと翔んで、正面から俺の首に両腕を回す。
 顔を覗いて……って、お前ら母娘(おやこ)は行動がそっくりだな、オイ。

「ありがとう。もしもいつか、その日が来たら、貴方の手で私を殺してね。不屈の『支配』者・束縛のベ
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