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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第13話 私が抱く貴方への思い
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扉を潜り外に出るとそこは雪が積もる銀色の景色だった、吹雪も吹いており視界が悪い。


「雪だって?ここは一体何処なんだ?」
「私もよく分からないけどもしかしたら標高の高い山の上なのかも知れないわ」


 山か、確かに周りは崖が多いし空気も心なしか薄い気がする。その線が強そうだな。


「今から下山か、このままだとかなり厳しいな……戻って何か装備が無いか確認を……!」


 ……どうやらそんな悠長な事を言ってられる状況じゃ無くなったようだ。


「リィン……」


 レンがそっと寄り添ってくる。僕はレンの頭を撫でながら視線を楽園に、正しく言えば楽園の壁を壊して出てきたものに向けた。


「またお前か。すんなりとは行かせてはくれないみたいだな」


 壁から出てきたのは先ほど僕達を襲ってきた魔獣だった。身体から炎を出して威嚇してくる。僕はレンと共に目前の魔獣に拳を構えた。


「悪いがお前みたいな犬っころに構っている時間はないんだ」
「私達の最初の一歩、まずは貴方を踏み越えていく事にするわ」


 魔獣は炎を身体中に纏い咆哮を上げ口から真っ赤な炎のブレスを吐いてきた。


「行くぞ!」


 僕とレンは左右に別れて炎のブレスをかわし僕は魔獣の腹に蹴りを放つ。だが魔獣は微動だにしなかった。魔獣が右腕の爪を振り上げて襲い掛かる、僕はとっさに横に飛んで爪をかわして魔獣の横腹に回し蹴りを放ち更に追撃で顎を蹴り上げた。


「ッ!」


 だが魔獣は何ともなかったかのように平然としており爪を水平に振るう、僕は咄嗟に腕を前でクロスさせて防ぐが強い衝撃によって弾かれた。


「がはッ!」


 背中を地面に打ち付けられ肺から空気が吹き出す、軋む身体を起こしながら魔獣を見据える……ってヤバイ!?
 魔獣が吐き出した火炎弾を横に転がって避けるが魔獣は更にもう一発火炎弾を放とうとする。


「させないわッ!」


 その時魔獣の眉間に拳ほどの石が叩き込まれた、横を見るとレンが石を持っている。そして追撃といわんばかりに連続で魔獣に石を投げつける。しかし魔獣は爪で石を砕きレンに向かって突進していく。


「レン、危ない!」


 だがレンは冷静に魔獣の攻撃をかわして魔獣の右手首を両手で掴み倒れながら魔獣の腹に右足を当てて後方に投げ飛ばした。


「あの巨体を投げ飛ばした!?」


 その光景に驚きながらも僕はレンに駆け寄っていく。


「レン、今のは一体……」
「魔獣の攻撃を利用して後ろに投げ飛ばしただけよ」
「だけって……簡単に言うけど普通は出来ないぞ、あんな事」


 レンは出来て当然のようにいうが一歩間違えば自身が致命傷を受けて
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