第13話 私が抱く貴方への思い
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いかもしれんが念の為だ」
「了解」
「……了解」
教授と呼ばれた眼鏡の男性は黒髪の少年と銀髪の青年に指示を出す、銀髪の青年はその場から消え黒髪の少年も後を追うように消えた。
その数分後……
「教授、戻ったぞ」
「レーヴェ、収穫は?」
「何もなかった、全てが瓦礫に埋もれてしまっている。生存者も発見できなかった」
「そうか……」
レーヴェという青年の言葉に教授はあらたか予想はしていたように反応した。これでは無駄足だったな、そう思っていると今度はヨシュアと呼ばれていた少年が戻ってきた。
「ヨシュア、戻ったか。何か見つけたか?」
「はい、生存者を一人……」
ヨシュアが抱えていたのはレンだった。
「その娘一人か?」
「うん、生存者はいなかった。後こんな書類を見つけたくらいかな」
レーヴェの言葉にヨシュアはそう答えた。
「この施設の唯一の生き残り、そして……ふむ、なかなか興味深い事が書かれているな」
教授はレンとヨシュアから受け取った何かの書類を見てそう呟いた。
「ならばもはや此処に用はなくなったな、戻るぞ」
「「了解」」
そして彼らはレンを連れて飛行船に戻りその場を後にした、後に残ったのは燃え盛る楽園という名の廃墟だけだった。
そして同じ時、リィン達がいた地より遥か遠くのある草原に一人の少女が空を見上げていた。
「リィン……」
彼女の名はフィー・クラウゼル。2年前に姿を消したリィン・クラウゼルの義妹であり彼の最も守りたい存在である。
あの日リィンがいなくなってからフィーはルトガーに猟兵にしてほしいと頼んだ。
それに対しルトガーは大反対した、リィンが死んだとは思いたくもないが、もしフィーにまで何かあったらと思うとルトガーは首を縦に触れなかった。
だがフィーは折れなかった、何度も何度も頼み込んで気が付けば半年も続いていた。頑なに折れないルトガーとフィーを見て団員達も気が気でなかった、そんな時マリアナがルトガーにこういった。
―――――このままじゃフィーは壊れてしまうと……
ルトガー達は必死でリィンを探し続けた、だがその結果フィーをないがしろにしてしまった。それを知ったルトガーは自身に嫌悪して同時にフィーの気持ちを理解した。
自身が大切だと思っているリィンはフィーにとってそれ以上に大切な存在なのだと……
思えば二人が兄妹になってから、リィンとフィーは片時も離れたことがなかった。常に共にいて互いを支え続けてきた。フィーにとってリィンはもはや半身と言える存在なの
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