第13話 私が抱く貴方への思い
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「ようやく此処ともオサラバできるわね」
リィンと共に施設の外に出る。正直に言えば自分がここを去るなんて最初は思いもしなかったわね。どうせ此処で死ぬんだ、そう思っていた。でも今は違う。
「やっと皆に会いに行けるよ」
「でも本当に私なんかが一緒に行ってもいいの?迷惑じゃない?」
「そんなことないさ。団長も皆もレンを受け入れてくれる……フィーだって喜ぶにきまってるさ」
「そのフィーっていうのが貴方の義妹さん?……そうね、なんだか早く会ってみたくなったわ」
「ああ、是非会ってやってほしい」
今はこうやって一緒に生きていきたいって思える人がいる。それがこんなにも幸せなことだなんて知らなかった。
「さあ行こう、レン」
「ええ、行きましょうリィン」
私は彼の差し出した手を掴もうとして…見てしまった。真っ赤な魔獣が頭上からリィンに向かって鋭い爪を振るうのを。
「リィンッ!危ない!」
「えっ……?」
ドガッ!!
体中に激しい痛みが走り私は白い大地に叩き付けられた、薄れゆく意識の中私は自分の名を呼ぶリィンの声だけが聞こえてきた。
良かった、私、リィンを守れたんだ……
本当に……良かった……
side:リィン
何が起きたんだ…やっとここから逃げられると思っていたらレンが血塗れで倒れた、そして倒れているレンの傍にさっき倒したはずの魔獣がいる。
「グルル…ガァァァァッ!!」
僕に向けて殺意をぶつける魔獣、普通なら恐れるところだが今の僕には何とも思わない。その傍で頭から血を流して倒れているレンにしか意識がいってないからだ。
「レン!」
急いでレンの傍に行こうとするが赤い魔獣が行く手を阻む。
「邪魔をするな!」
魔獣の攻撃をかわして生物の急所の一つである『喉』に蹴りを打ち込んだ、だが……
「!?ッ」
普段なら決まっていた蹴りが魔獣の強靭な腕に掴まれていた。
「コイツ、僕の蹴りを……!?」
魔獣が口を開き口の中から赤い光が見える、不味い、逃げようにも足が挟まれて動けない!こ、このままじゃ……!
僕はもう片方の足で魔獣の目を蹴る、流石に効いたのか魔獣は僕の足を放すが同時に炎のブレスを吐いてきた。
ボァァァ!!
「ぐああッ!!」
魔獣の口から赤い炎が吐かれ僕の体を焼いていく。とっさに雪の上を転がり衣服についた火を消す。
「ぐッ、右腕が……」
何とか火は消せたが右腕の火傷がひどい、これじゃ右腕は使え
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