暁 〜小説投稿サイト〜
東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
第2章・幕間:いつか其処へと至るため
episode5:私だけの魔法
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「わっ!?」

 唐突に魔理沙から放り投げられた懐中時計のようなモノをなんとか受け止める。いや、これは懐中時計と言うより……何かの測定器?だろうか。

「魔力測定器。裏側の平べったい部分を左胸に当てるんだ。それで大体の魔力量が分かる」

「へぇ、そんなマジックアイテムあるんだ」

「ちょっと研究すればすぐ作れるけどな。私も魔法の研究始めて2週間足らずで作れた」

 受け取った測定器を左胸に押し当てる
 恐らくは心臓が魔力を生み出す元なのだろう。測定器の針は少しずつ動いていく。動いて……動い……ちょっ、動きすぎじゃないっすかね?もう最大値超えてんだけど?振り切ってんだけど?

「ね、ねぇ、魔理沙。これ、壊れてないよね?」

「むっ、失礼な奴だな。手入れは万全にしてあるぞ」

「いや、これ……」

 針が完全に振り切った測定器を投げ渡す。空中でパシンと受け取った魔理沙は、その結果を見て驚愕した。

「なっ!?測定不能!?初めて見たぞこんなの!」

 驚愕しつつ計測器を彼方に放り投げ(窓から外に出てったけど良いのだろうか……)、更にマジックアイテムも山を漁り始める魔理沙。

「えっと、魔理沙。それって私の魔力量が多すぎるって事なの?」

「いや、そういう訳じゃないんだ。魔力量が多過ぎる時はきちんとそういう風に表示が出るようになってる。霊夢とかレミリアの奴が面白半分で測った時に出てたな」

  博麗の巫女と吸血鬼ェ……

「んで、アレで測定不能が出るって事は、お前の魔力がアレで対応出来ない性質って事だ。実質、幻想郷の今までの歴史では一度も検出された事がない。アレには慧音に協力してもらって、幻想郷の歴史全ての魔力性質のパターンが詰め込んであるからな」

「それじゃあ、私の魔じゅ……魔属法は、かなり特殊なものって事になるの?」

「そうなる。しかし参ったな……そこまでレアな法となるとパチュリーぐらいしか知らないか……?いや、下手すりゃパチュリーすら知らないかも……」

 ブツブツと呟く魔理沙を見守っていると、突然何かの本を取り出して、こちらに投げ渡してきた。結構太い。っていうかこれ顔面直撃コースっ!?あぶねぇ!咄嗟に頭守ってなきゃ思いっきり激突してた??

「ちょっ!?」

「魔法の初歩の初歩が詰まってる魔道書。どんな魔術属性であれ、こいつなら普通に行使出来るようになってる。中身読んでみな」

 指示に従い、適当にページをめくる。そこには全く理解出来ない、ごちゃごちゃと黒いインクをひたすらにぶち撒けたような文字──文字と言っても良いのかすら分からない何かが描かれている。
 ……だが、何故かその内容だけが頭に入ってきた。成る程、確かに簡単な術式らしい。複雑な所が一切ない。いわば、何の変
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