第2話 砂上の日常
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軽い不安を抱いた。
「・・・・・・師匠、如何かしたん――――って、ちょ!!?」
士郎は、中を覗きはしないまでも僅かにドアを開けて確認しようとしたが、突然首根っこを掴まれて部屋の中に引きずり込まれて行った。
「何して――――」
「目を開けよ、士郎。もうちゃんとした格好じゃから安心せよ」
「え?」
引きずり込まれてから反射的に目を閉じた士郎に向かって、当の本人は命令口調で士郎に言った。
士郎は、スカサハが声音から真面目に切り替わったと判断して、疑いもせずに目を開いた。
事実正しかったようで、召喚時の黒い戦闘装束に身を包んでいたスカサハがそこに居た。
「ほれ、しゃんとせい。報告があって来たのだろう?」
「最初に腰を折ったのはスカサハさんですけどね」
しれッとした態度のスカサハに、士郎は効かないと分かりながら愚痴をこぼした。
−Interlude−
士郎は、ここ最近のシャドウサーヴァント達の動向を報告している。
夜闇を駆けまわり、まるで何かを探している様だと。
それを聞き終えたスカサハは、少し考える。
そして――――。
「英霊とは元々は抑止力だ。であるならば、奴らの探し物は自ずと解ってくるのう」
「それはつまり、ガイア或いはアラヤが世界や人の脅威と成り得るモノ・存在を探していると?」
「そうなるじゃろうな。そしてこの周囲でそれを判断するならば、余りにも才能に溢れすぎ、心の在り様次第では何時か脅威になりうる少女――――」
確信的な物言いに、直に士郎は理解した。
「――――川神百代か!?」
−Interlude−
翌日の夕方。
「――――如何したの義姉さん?何か杞憂そうだね」
今は冬から春に移行するための準備期間。
学生たちは学年が変わる前の一休みの春休みだった。
夏休みに比べれば短い期間ではあるが、各々がそれぞれに過ごしていた。
そんな金曜日の夕方に彼ら、風間ファミリーは集まっていた。
最初は違うが、ある廃ビルを秘密基地として金曜の夕方から夜にかけて特に仲の良い友人たち7人だけで愚痴や未来の夢、最近の報告などと、大した意味は無いモノの、彼ら全員楽しく過ごす集会だ。
そして今日も何時もの様に、キャップこと風間翔一以外の6人が集まっていた。
これも何時もの様に、キャップはバイトで少々遅れる。
そんな6人の中で参謀役の直江大和が、百代の不機嫌さに気付いた。
「ん〜、ま〜な・・・」
「歯切れが悪いね」
「お姉様、今日は朝からこんな感じなのよ」
百代の気だるげな答えに、モロこと師岡卓也と彼女の義妹、川神一子がそれぞれの感想を口にした。
そん
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