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失悲繰の街〜The lost emotion〜
失悲繰の街に迷い込む前の話1

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「場所は……えっ…存在しない!?」

俺は思わず大きな声を出してしまった

その声に沢山の人が反応する

「あっ、すいません…」

周囲に謝ると、その部分を詳しく読んだ

「ありえない。確かに存在するっておじいちゃんが言ってたぞ」

彼の祖父は昔、様々な事件を解決に導いた有名な元警視庁公安部の刑事 斉宮颯一郎

その刑事 颯一郎の捕まえた犯人は500人以上いるという。とても頭も良いし武道も出来るのでどんな犯人でも捕まえられた。スパイとしても活動していたらしい。そしてなにより彼は、趣味で失悲繰の街について調べていた。一度訪れたこともあるらしい

その時、何かがおかしい…そう俺は思った

「おじいちゃんに詳しく聞かないと」

俺は図書館を出ると走って家に向かった

家に帰ると祖父は部屋で本を読んでいた

「おー、静希帰ったか。見ろよこのアニメの子可愛いだろ」


おじいちゃん…そういや退職してから二次元のキャラに夢中で同人誌書いるんだったな。


俺も見せてきた本に載ってるアニメは好きだったので話もしたかったがいまはそれよりあの街について知りたかったので無視して聞くことにした


「そんなことどうでもいい。それより話したいことがある。失…」

「失悲繰の街のことか…その街について話すことは何もない…勉強でもしろ」

急に変わった祖父の態度に、俺は何か隠していることがすぐ分かった

その街に何があるんだ。言えないようなことがあるのか

「知っていることなら何でもいい。俺は知りたい…」

「だから何もないと言っているだろう」

「お願いおじいちゃん。本当に知ってることならちょっとしたことでもいいからさ…」
祖父は激怒した

「何度言ったら分かる!!話すことはないんだよ!言うことが聞けないのか!!」

その迫力に俺は押しつぶされそうになった。力尽くで聞き出そうと思ったこともあるけど、絶対に勝てるわけがない。公安部にいたころの強さはまだ残ってる
でも俺は知りたかった

「頼む!絶対に誰にも言わないし自分一人で行こうとも思わないから!」

「力尽くで言うこと聞かせないとダメなのかのぅ…」

おじいちゃんは立ち上がろうとした。

もう聞き出すことも無理なのか…
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