一緒に、帰ろう−
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また違った意味で思い出の場所であるが、ここが俺の今日の目的地だ。
――さあ、行くぞ。
今通って来た、デュエルアカデミアの道のりを思い出しながら、俺は廃寮のデュエル場に向かうため、足を踏み入れた。
「――何だ、思ったより早かったなァ、黒崎遊矢ァ……」
デュエル場にたどり着いた俺の目の前に、高田が闇の中から現れる。
「それに、一人かよ? 遊城十代に、万丈目はどうしたァ?」
「二人なら来ねぇよ。お前ごときに、三人で来る必要なんて無いからな」
もちろん、嘘だ。
ただ、俺が集合時間30分前に廃寮に来ただけだ。
……もう、誰も巻き込みたくない。
「ハッ! 減らず口を叩いてんじゃねェよ! ……ああ、そうだ。良いもん見せてやんよ」
そう言って、高田は指をパチンと鳴らす。
そうすると、中空に映画のスクリーンのような物がいくつか現れた。
それらに映っているモノは……デュエルアカデミアの各所だった。
「デュエルアカデミア……?」
「クククッ…イッツ・ア・ショータイム!」
高田が叫ぶのと同時に、スクリーンの中のデュエルアカデミアに中に現れる大量の黒い泡。
それらは形を成していき、やがて、デュエルディスクを構えたヒトガタとなった。
それを見て、俺は高田の狙いを察した。察してしまった。
「高田テメェ、まさか……!」
「ヒャーハーッハッハッ!その通り……デュエルアカデミアにいる奴全員、闇のデュエルで消してやるのさァ!」
やはり。
あのヒトガタの黒い泡は、無差別に闇のデュエルを挑む人形であるようだ。
「くそッ!」
高田に背を向け、デュエルアカデミアに戻ろうとしたが……止めた。
「ん? どうしたァ? デュエルアカデミアに戻んなくて良いのかよ?」
せせら笑う高田に対して、俺も不敵な笑みで応えた。
「逆に、なんで戻る必要があるんだ? ……デュエルアカデミアのみんなはな、あんな化け物ごときには負けねぇんだよ!」
そうだ。
スクリーンの中で、ヒトガタたちに対してデュエルディスクを構えるみんなが……十代が、万丈目が、クロノス教諭が、隼人が、神楽坂が、取巻が、あと、何でだか知らんが、オベリスク・ブルー寮で木登りをしようとしていた自称・恋する乙女――レイが……あんな化け物ごときに負けるはずが無い。
俺はそう、信じてる。
「ハッ! まあいい! 戻らなかったことを後悔するんだな!」
高田がデュエルディスクを構えたのを見て、対する俺もデュエルディスクを構える。
――明日香、三沢、亮、翔……必ず助けてやるッ……!
「デュエルだ高田! 決着をつけさせてもらうぜ!」
双方の準備が完了する。
あの時。寮の昇格デュ
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