オペラセリアのエピローグ 1
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数千年の時間を経て再生した森。最早ただ転がり朽ちるだけの瓦礫の山。恋に夢見る幼い巫が育った家の跡地。友人とも仕える者達とも約束を果たせなかった神殿。
全部失ったと思っていた私の目に映るのは、愛しい娘と、彼女を愛する男性と、新しく正統なる女神。かつては宿敵同士だったゴールデンドラゴンと精霊。そして……元、魔王。
彼を世界への干渉から退けた今、本当ならアリアを神々が眠る世界へ導いて扉を閉めさせなきゃいけない。私はその為にずっとこの場所で待っていたのだから。
でも、クロスツェルの言う通り、アリアにも私にも償うべきものがある。
彼女を本当に思うのなら……
「……違うわね。これは償いを言い訳にした、私の願望だわ」
「にゃー……」
神々に対する二度目の重大な裏切り行為だとしても、アリアの成長をこの目で見守りたい。
今度こそ傍に居て、貴女を護りたい。一人にはさせたくない。
それが私の我が儘。
だから
「アリア。私とティーとリースリンデは泉へ行くわ。貴女も、時々で良いから顔を見せにいらっしゃい」
私の本体を何処かの空間に封印してくれたアリアに歩み寄り、精一杯腕を伸ばして……
こういう時だけは低い背が憎いわね。肩にすら届かないなんて。
「…………はい。ありがとうございます……お母さん」
察してくれたアリアが膝を折って、ティーとリースリンデを潰さないように私を抱き締める。
きっと、外側からは逆の立場に見えるんでしょうね。
でも、良いわ。やっと会えたんだもの。どう見られるかなんて気にしない。
アリアを抱き返して、私譲りの白金髪を撫でる。
緩やかで柔らかくて繊細な細糸。僅かな刺激を含んだ甘さは、白百合の香りかしら? 信仰の象徴に選ぶだけあって、外見にも内側から滲み出てる雰囲気にもよく似合うわ。
でも……まさかあれ、レゾネクトが選んだんじゃないでしょうね?
クロスツェルの教会でも妙にベタベタしてたし、何かしらの手出し済みとか……
あ。いえ、駄目駄目。
折角こうしていられる機会を得たんだから、殺伐としてる場合じゃないわ!
ゆっくりゆっくり存在を確かめてから離れ……
「……アリアとロザリアをお願いね、クロスツェル。ついでにベゼドラの見張りもしてくれると嬉しいわ。あの悪魔は天然なのよ。その分、物凄く質が悪い」
「天然……ですか?」
不思議そうに首を傾げるクロスツェルと対照的に、リースリンデが「ですよね。うんうん」と力強く同意する。
「他者への無自覚で無防備な好意。彼、とっても人懐っこいの」
「ええーッ!?」
飛び跳ねるほど驚いてるけど、貴女も相当彼に懐いてるでしょ。リースリンデ。
「ああ、確かに。そういう所ありますよね」
「でしょう?
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