暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
Vivid編
外伝〜if/ライのたどり着いた世界がCEであったなら(前編)〜
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んで申し訳ありませんでした」

「え?あ、あぁ」

 これまでの会話で扱いにくいと聞いていたシンに納得させ、反省させることを言葉だけで理解させるライにアスランは純粋に驚いてしまっていた。そんな自分にはできそうにないことをあっさりやってしまった彼にアスランは少しだけ尊敬の念と好奇心を抱いた。



――――――――――


『戦火の蔭』


 今日も今日とて、ミネルバは戦っていた。
 その相手が同じ人間であることは変わらないのだが、その相手がこれまでの連合だけでない。同盟を結んだオーブ軍も加わり、これまでの小競り合い以上の敵の規模に彼らは苦戦を強いられていた。
 そして、戦場の流れを変えるため、ミネルバは一番火力の高い陽電子砲タンホイザーを敵軍に向けて打ち込もうとする。
 だが、それが実現することはなく、『彼ら』は現れた。

「新手?」

 発射寸前の砲塔をどこかから狙撃され、黒煙を上げながら、ミネルバはすぐ下の海に着水する。そのアプローチに問題がないことを確認したライは、すぐさま狙撃を行ったと思われる何かがいるであろう方角に機体を向ける。
 そこから姿を現したのは青い翼を広げたひと振りの剣であった。

「あれは――――」

 「あの時見た」と続ける前に、ライは操縦桿を動かしていた。
 ライの機体――――バックパックを改造し、インパルスのシルエットシステムと互換性を持たせ今はフォースシルエットをつけていたザクは、その機体と接触する前に大きく後退する。

「……フリーダム?」

 機体のデータバンクに登録されている形式番号と機体名称がコックピットのディスプレイに表示される前にライは呟いていた。何故ならその機体はこのコズミック・イラという世界に置いてある意味で伝説となっているのだから。

『こちらはオーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハだ』

「今度はなんだ?」

 いきなり、機体のオープンチャンネルに通信が入ってくる。だが、これは広域配信されているもので、この戦闘域全てに流れている事がすぐにわかった。

『オーブ軍!直ちに兵を引け!現在、訳あって国もとを離れてはいるが、このウズミ・ナラ・アスハの子、カガリ・ユラ・アスハがオーブ連合首長国の代表首長であることに変わりない!その名において命ずる!オーブ軍はその理念にそぐわぬこの戦闘を直ちに停止し、軍を退け!』

「っ、バカがっ!」

 コックピットで吐き捨てる。
 ライのその視線の先にはモニターに映るストライクルージュと、白亜の戦艦であるアークエンジェルが存在した。
 彼女の行動は迂闊に過ぎるとライは感じ、思わず口汚い言葉を吐き出していた。かつて、大勢の人間を束ねたことがあるからこそ感じる苛立ちをそのままに、攻撃を躱したこと
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