Vivid編
外伝〜if/ライのたどり着いた世界がCEであったなら(前編)〜
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のか、睨むようにして四人を見ていた。
「ザラ隊長、質問があるのですがよろしいでしょうか?」
それは質問をしても良いかどうかの確認の言葉であったが、ライの目は逃げることは許さないとその力強い眼差しで物語っていた。
「……なんだ?」
「もし、戦場で自分たちか、フリーダムか……どちらか一方に加担しなければならない時、貴方はどうするのですか?」
「え?」
アスランはその質問の意図がよく分からなかった。
これまでの戦闘で、ライがアスラン以上に隊長のように指示を出していたことはアスラン自身が知っている。その為、ライが自分を糾弾しようとしているのかと、一瞬だが考える。
だが、これまでライの為人を短い期間ではあるが見てきたアスランはそんなことをするような人物には思えなかったからこそ、ライの質問の意図が分からなかったのだ。
「……俺は――――」
何かを答えようとするが、何をいうべきか今のアスランは分からなかった。先の戦闘でキラという友人の純粋な想いを知ったからこそ、それを少しでも理解してしまったからこそ、彼は迷っていた。
そして、その迷いが全ての間違いであること自体にアスランは気付くことができなかった。
「嘘でも即答で自分たちの味方であると答えて欲しかった」
「……ぇ」
考え込んでいた為にそれなりに時間が経っていた。そして答えられないということが、ある意味で一つの答えを提示していることにアスランはようやく気付く。
「いや、これは、違う!」
アスランの慌てた様子に、弁解でもあるのかと眼差しで返す。だが、アスランがハッキリと自身の言葉を吐き出すことはなかった。
「残念です」
突き放すようなライの言葉に、少なからずショックを受けるアスランは逃げるようにしてその部屋を後にした。
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