Vivid編
外伝〜if/ライのたどり着いた世界がCEであったなら(前編)〜
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パックのフォースシルエットを浅く切り裂いた。
「このっ!」
機体のバランスが取れず、既にデッドウェイトでしかないシルエットをパージしようとするが、それよりも早くフリーダムがザク目掛けサーベルを振り下ろす方が早かった。
「間に合え!」
言い切る前に、ザクの機体を相手へ半身を向けるように操作する。
ライの驚異的な入力速度ゆえに間に合った操作。それはシルエットを今度こそ切り裂いたが、ライ自身を焼く事はなかった。
「っ」
姿勢制御を行い、海面に背部から落ちるようにする。その際、正面モニターにシルエットが爆発する映像が見える。ほぼ、反射的にライは残った右腕に握らせているライフルの銃口を、その爆発に向けた。
まだ、その煙の向こうにいることを祈りながら、トリガーを引く。
ライフルから放たれたビームがその爆煙を貫いた。
「……」
コックピット内で合唱を奏でるアラート音をBGMにライは空を仰ぐような体勢で海へと落ちていく。
そしてその数秒後に、その爆煙から離脱し始める片足の無いフリーダムと、それを追うセイバーの姿がモニターに映りこんだ。
――――――――――
『示される世界』
ミネルバ艦内・一室
シンはまたなくしてしまった。
守りたかった一人の少女を。
あの日、何もできなかった時のように、奪われた。
例え、助けたところで先の短い生であったとしても、それでも生きていて欲しかった少女、ステラ・ルーシェを。
そして彼は憎む。その直接的に止めを刺したフリーダムと、それを行った連合軍、そしてその連合軍を裏で実質的に操っているロゴスを。
そしてだからこそ、彼は軍人として、戦士として、復讐者として行動する。
「何をしている?」
薄暗い部屋に、疑問の言葉が響いた。
その部屋にいたのはシン、レイ、ライ、ハイネの四人。そして四人が覗き込んでいたモニターに映し出されていたのは、フリーダムの機体データとこれまでの戦闘データであった。
そして疑問の言葉を投げかけたのは、アスランである。
「フリーダムに対しての戦術シミュレーションです。現時点でこの艦で戦闘を行えるのはインパルスだけですし、それに自分たちの彼らとの接触回数はかなり多いので、これからも出会った場合に備えて、対策は必要です」
簡潔かつ解りやすいように説明を行ったのは、レイであった。
アスランからすれば、その言葉は『キラを倒す方法を検討している』と同義であった。その為、噛み付くように声をあげようとするアスラン。だが、それはアスランに向け、一歩踏み込んできたライに遮られた。
出鼻をくじかれたアスランは、自分が言おうとした言葉を飲み込んでしまう。そして、ささやかな抵抗な
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