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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―戦士転生―
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う決意を秘めた、鉄の闘志を込めたモンスター。

「集いし鉄血が闘志となりて、震える魂にて突き進む! エクシーズ召喚! 《No.54 反骨の闘士ライオンハート》!」

 コロッセオの拳闘士のような風貌をした、鎧を着込んだ獣のような大男。身体を欠損してもなお、その歩みを止めようとしないのか、身体にはそれを補う機械が埋め込まれている。召喚とともに爆炎がフィールドを覆い尽くし、ライオンハートが芯にまで響くような雄叫びをあげる。

「バトル! ライオンハートでサンダー・スパーク・ドラゴンを攻撃!」

 しかしそのステータスは戦闘に耐えうるどころか、下級モンスターよりも軒並み低い僅か100。……いや、だからこそ突き進む反骨の闘士なのか、恐れも見せずにサンダー・スパーク・ドラゴンに向かっていく。

「ライオンハートの効果発動! このカードが戦闘する時、オーバーレイ・ユニットを一つ取り除くことで、俺が受ける戦闘ダメージを相手に与える!」

「なっ――」

 ライオンハートの攻撃力は先述の通りにたった100。だからこそその一撃は、相手にとって致命傷となる。オーバーレイ・ユニットを一つ取り除き、ライオンハートはサンダー・スパーク・ドラゴンの攻撃を全て跳ね返す……!

「ソニック・エッジカウンター!」

「アァァァァァ……」

ミスターTLP1000→0

 ライオンハートが跳ね返した雷光が直撃し、ミスターTは悲鳴とともに消えていく。命を賭けているとはいえ、二連戦のデュエル程度では消耗しなくなった自分に苦笑しながら、俺の前に降り立ったライオンハートを見た。

「これから……よろしくな、皆」

 ライオンハートも含めて生まれ変わった【機械戦士】たちに改めて挨拶すると、デュエルが終了したことにより、ソリッドビジョンが消えていってしまう。そしてデュエルを見届けてくれていた吹雪さんに肩を貸しながら、二人で帰るべきアカデミアに向かって歩き出す。

「何から何まですまないね、遊矢くん。君だって疲れているだろうに」

「異世界で鍛えられましたから。異世界で……」

 異世界で起きたことを消すことは出来ない。俺が仲間を消したことも、みんなが一度消えてしまったことも。

「俺、みんなに謝ろうと思います」

 謝って済む問題ではないけれど。ただの自己満足でしかないけれど。俺が異世界でやってしまったことを、ダークネスの侵略の前に謝っていきたい。それを聞いていてくれた吹雪さんは、一度、空とアカデミアを見上げて考え込むような動作をした後……神妙な面もちで頷いた。

「そうだね。それがいい……」



 ――そして俺たちが立ち去ったアカデミアの旧寮跡にて。もう一人のミスターTがそこに出現していたことを、俺たちが気づく
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