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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―戦士転生―
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 吹雪さんが取り落とした《ダークネス》のカードから、先日十代が倒した筈の人物と、瓜二つの人物が出現する。自分は常識には囚われない――などとうそぶいていたが、あながち冗談でもないらしい。

「……やあ、久しいね遊矢くん。まだ君を消していなかった」

 ゆっくりと語る口調だけは友好的だったが、ミスターTと名乗る人物は明確にこちらへと敵意を向けていた。その腕からデュエルディスクに似たものを生やし、それをこちらへと向ける。

「吹雪さんは下がっててください」

「すまない……そうさせてもらうよ……」

 先のデュエルで《ダークネス》の力を使ったため、疲労を隠せない吹雪さんを庇うように前に立つと、俺も対抗するようにデュエルディスクを展開する。

「おや、その力は……やはり君はいてはならないらしい」

 新生した【機械戦士】デッキを興味深く眺めながら、ミスターTはそんなことを小さく呟いた。消えてもらう、と言われようがあっさり消える道理はこちらにはなく。敵の正体を知った吹雪さんとともに、なんとしてもアカデミアに戻らなくては。

『デュエル!』

遊矢LP4000
ミスターTLP4000


「俺の先攻」

 デュエルディスクが先に導きだしたのはこちら。五枚の手札を見渡すと、まずは一枚のモンスターを手に取った。

「俺は……モンスターをセットし、ターンエンド」

「私のターン、ドロー」

 生まれ変わった【機械戦士】。その力を試すべく、あえてモンスターをセットしたのみでターンを終了する。

「私は《アンブラル・グール》を召喚」

 恐らくミスターTのデッキは、メインデッキの違いこそあれ、エクストラデッキに存在するかの《No.》を主軸としたデッキ。先鋒として、影で身体を形成している巨人が召喚されるが、No.の正体が分からない以上デッキの正体も不明だ。

「私は《アンブラル・グール》の効果を発動。このモンスターの攻撃力を0にすることで、手札の攻撃力0のアンブラルモンスターを特殊召喚する。《アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ》を特殊召喚」

 やはりその効果はモンスターの展開をメインにした効果であり、新たなアンブラルモンスターが特殊召喚される。早くもエクシーズ召喚かと思われたが、新たに召喚された《アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ》のレベルは1。《アンブラル・グール》とレベルが合わない。

「《アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ》の効果。特殊召喚時、他のアンブラルモンスターと同じレベルとなる」

 ……どうやらその心配は無縁だったらしく、二体のアンブラルモンスターのレベルは4に統一される。影のような暗い色であるにもかかわらず、青白く光るという矛盾した性質を持った《アンブラル・ウィル・オ・ザ・
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