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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第7話 彼の来た理由―前編
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ラディの言うことはもっともだ。
敵の情報がない以上、戦いながらこちらが敵に合わせて戦わなければいけない。
それを行うには、豊富な実戦経験と相手の予備動作を瞬時に見抜く観察眼、そして敵の行動に合わせて自分がどう動くかの判断能力が必要となる。
実戦経験の部分は定かではないが、観察眼と判断能力に関しては、ラディの言うとおり彼は人並み以上のものを持っているだろう。
なにせスパイだ。相手の僅かな挙動を見逃さない観察眼と、修羅場を切り抜けるための判断能力は必須である。
もっとも、現時点でははやては彼がスパイであることすら疑ているが、それは彼への侮辱である。
故に、はやてはラディの意見を否定せず、一度頷いて二つ目の理由を促した。
「二つ目の理由は、皆さんがオレのことを知らないからです」
「ラディ君のこと?」
思わず聞き返してしまったはやてに、ラディは頷く。
「ええ。オレのことです。みなさんはオレがどうやって戦うか知らないでしょう……どうせ本部のやつらはろくな情報を送らなかったでしょうし」
「あー、まぁ、不便がない程度の情報はあったで」
口ごもりながらも咄嗟にお茶を濁したはやてだが、事実その通りである。
魔導士ランクAA、デバイスは
斧槍
(
ハルバート
)
、術式は近代ベルカ式、足場魔法による擬似空戦も可能な高機動陸戦魔導士――現状、彼の戦闘能力に関して分かっているのはこれだけである。
射撃魔法はどれくらい撃つのか? 砲撃魔法は使えるのか? 使用する魔法は? ポジションは? そもそもどういった戦闘スタイルなのか――そういった連携を取る上で必要な情報を、はやて達は一切持っていない。
「ですから、今回まずは先陣をオレが一人で務め、敵の情報を引き出しつつみなさんにオレの戦い方を見てもらいます。その後、十分分かったと判断したら動いてください。後はオレがみなさんに合わせます」
「ちょっと待って」
ラディの話をフェイトが止める。
筋の通った正論に待ったがかかり、ラディは不思議そうにフェイトを見るが、はやてはもし誰もなにも言わなければ自分が反対するつもりだった。
ここでラディの話を止めたということは、フェイトもおそらく同じ考えだろう。
はやての予想通り、フェイトははやてが今まさに言おうとしていたこと言った。
「前半はいいとして、後半の部分、『みなさんに合わせます』っていうのは、ラディが私達の戦い方を知ってることが前提となってるよね」
まさしくフェイトの言うとおりである。
はやて達はラディが隊に入って日が浅いためにラディの戦い方を知らない。だがそれと同様に、ラディもまた隊に入って日が浅いため自分たちの戦い方を知らないはずなのだ。
にもかかわらず、ラディは知らないはずの自分達11
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