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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第7話 彼の来た理由―前編
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いないですぅ!!」

 疑わしげなラディに心外だとばかりに元の姿に戻ったリインが頬を膨らませる。
 今回の任務で使われているサーチャーと探索魔法を組んだのはリインである。そのサーチャーと探索魔法を疑われるのは彼女としては見過ごせない。
 だがそれでもラディの疑念は拭えないらしく、ラディは岸辺のスライム群を指さしながら口を開く。

「でもあれはどうみたってロストロギアというより魔法生物の類にしか見えないですよ?」
「む、むむぅ……」

 ラディの言葉にリインはなにも言い返せない。
 現に彼女の目から見てもあれはスライムにしか見えないのだ。
 回収予定のロストロギアは宝石型。生物型ではない以上、目の前のスライム群に見える何かを宝石型のロストロギアと言い張るのは無理がある。
 ならあれは流れ着いた野良の魔法生物でロストロギアの反応はなにかの間違いだったと話の流れが傾き始めたそのとき、なのはが待ったを掛けた。

「もしかしたらだけど、あれはロストロギアの自動防衛機能なのかもしれないよ」

 ラディの意見を真っ向から否定するなのはの意見だったが、ラディ自身はリインのように不満には思わなかったらしく、なのはに興味深そうな視線を送った。
 それを確認して、少しほっとしながらなのはは言葉を続けた。

「今回回収予定のロストロギアは宝石型、直接的な害はないって話だけど詳しいことは分かってないみたいだし、何かの拍子で私たちの知らなかった自動防衛機能が作動して、こんなことになったのかもしれないよ」
「――確かに。それならロストロギアの反応があるのも納得できますね」

 なのはの推測に一理あるとラディが頷く。
 途端、リインがそれ見たことかとドヤ顔をラディに見せつけるのだが、ラディは素直に謝罪し完全に大人の対応。
 リインはそれに物足りなさそうな表情はしたものの、彼女も立派な局員である、何も言わずに素直にその謝罪を受け入れた。

「ほな、会議を続けようか。とりあえずまずは配置と役割を決めようか。先陣は――」
「――自分に任せてはいただけないでしょうか」

 はやての言葉を遮り手を挙げたのは、他ならぬラディだった。
 先程のリインの魔法の腕を疑ったことを気にしているのだろうか。もしそうなら、いくら危険度の低い任務とはいえ、その提案を飲むわけにはいかない。
 それを見定めるため、はやては無言でラディの言葉を促す。

「理由は二つ。まず一つ目に敵の情報がないからです。敵の性質や攻撃法が分からない以上、先陣は予想外の攻撃に即座に反応できる人間でなければなりません。また、その攻撃や逆にこちらが攻撃した時の敵の反応を観察、分析し、仲間に正確に伝える必要もあります。その点に関して、オレはそれなりの能力があると自負しています」


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