交節・ “愚” と “紅” 、二種の殺戮者
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を持つというのに、それが2連撃ともなればその凄まじさはより桁を上げる。
なによりスイのパラメータで目視困難な速度まで引き上げられた剣線が、女性へと猛々しく襲いかかった。
(1撃目では決めない、2撃目で仕留める!!)
籠った感情の所為か眉間に皺がより、歯軋りの音まで聞こえてくる……其処までの気概を見せている。
―――此処で女性は、又も驚くべき行動を取った。
「ウフフフ……!」
スピードは落としたが歩みは止めようとしない。
【ダブル・アバランシュ】へと自ら突っ込んでいっているのだ。
赤い残像を引く無茶苦茶な移動方法と言い、行き成り飛び上がって回転しながら攻撃した事と言い、彼女は “基本” という名のネジが外れているとしか考えられない。
だがスイもさるもの、殺がれぬ意気を持って剣を振り下ろした。
「ほいっ」
女性が突然急ブレーキをかけて立ち止まり、其処から脚をそろえて後方へ大きく宙返り。2発とも目標を捉える事無く虚空へ光を消していく。
突っ込んでいったのは、武器を迷わず振り抜かせる為だったらしい。又もスイは策に嵌められてしまう。
「フフ……せいらぁ!」
何と空中でソードスキルを発動させていたか、着地と同時に突きだされたスコーピオンは『エボニーとクリムゾン』の二重螺旋に染まる。
紅の鋼がジェットエンジンもかくやの唸り声を上げ、空気ごと穿たんばかりに放たれた尖端から鋭い衝撃波が一直線に走る。
スイは無理に体を捻って間一髪、ギリギリで遠距離まで届く貫撃をかわせた。
「は? ……おわあああっ!?」
―――そう思ったと正に同時、“ズガァッ!” と背後で空間が爆ぜた。
真っ赤な爆炎のドームが噴き上がり、スイを塵が如く吹き飛ばす。
其処で自然に視線が向くのは己の命の残量。
予期通りか……見た目に違わぬ相当量のダメージがHPを喰らい尽し、より女性との差を広げてしまった。
(ソードスキルもトンデモないけど……何より技量が、プレイヤースキルが段違いだ……キリ君だってここまででは……っ!)
彼の知る人物ないにもケタ外れの実力を持つ者はおり、それは反応の速度がピカイチなキリトや、防御力bPとも言える【神聖剣】スキルを持つヒースクリフが該当する。
されど、如何してもゲーマーとしての域を出ず、加えてSAO内に一年以上いる者ならある地度の武器を使う基礎は身につくので、扱いが少し上手ければそれだけで強者にもなれのだ。
その事からも分かるだろう……女性の武器の扱いや切り替えの速さが、プレイヤーの域を軽く超えているのを。
スイが最終目的としている、PoHよりも
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