暁 〜小説投稿サイト〜
骨斧式・コラボ達と、幕間達の放置場所
交節・ “愚” と “紅” 、二種の殺戮者
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「せああああっ!!」

 
 己のパラメータの高さに自信があれど……決して油断はしない。一挙一動を見流さぬ気迫を持ちながら、高速の一刀を打ち放った。

 女性が取るのは防御か、体勢を崩してまでの回避か。


 否、どれでも無い。


「やっ!」


 屈み状態から気合い一発飛びあがって身体を捻り 、【ブラスト】の一撃目を避けて見せた……途端、剣に鈍い衝撃が走り女性の姿が消える。

 何故消えたのか、スイには見えていた――――


 ―――逆さまになった女性が剣の腹に手を当て、“そこを足場に” 腕の力で跳躍した事を。


(ふざけるなっ……中国雑技団かよ!?)


 高速で薙ぎ払われる剣を止める事など出来ない。

 オマケに緩やかに回転して落ちてきた女性は、着地寸前にその勢いのままスコーピオンを振り払ってきたのだ。


「うがあぁっ!?」


 『赤い何か』がインパクトの瞬間に爆ぜる脳震盪では済まない重厚な一撃。
 スイは側頭部から叩き付けられ、いっそ可笑しいぐらいに回転して吹き飛ぶ。



 狼狽せぬように己へ言い聞かせ立て直し、挙動を見逃してなるかと女性へと目を向けて見れば……


「♪」


 今度は自分から向かっては来ず、嬉しそうに笑いながら手をヒラヒラ振っていた。

 もしかしなくても舐めている。
 スイへ、次の先手を譲るつもりらしい。


「舐めるな、よっ……!」


 口にしながらも女性の得体の知れなさは異常だと、口に出さずとも考えずともスイは気付いている。

 ならば! ―――と、迷う事無く2本目の剣をストレージから取り出し、【片手持ち】、【剣技解放】スキルを即座に解放。


「ふうー……っ!」
「へぇ♪」


 両手に『両手剣』を握ると言う、現実でもゲームでも有り得ないスタイル……これぞスイの奥の手【剛破剣】スキル。

 これを見て尚嬉しそうで楽しそうな表情を崩さない女性。
 胆が据わっているというレベルではない。


「うおおおおっ!!」


 と、何を考えたかスイは行き成り女性へ向かって無造作に走りだした。
 隙しか作らない行動を取るなど、一体何を考えているのだろうか。


「フフフ、迎え撃つとしましょうか?」


 最初に見せた残像走行を行わず、されど十二分に驚異となりえるスピードで女性が肉薄。その距離が3m弱まで縮まった―――刹那コマ送りのように、スイは肩へ両の剣担いでプレモーションを済ませていた。


「はああっ!!」


 濃く蒼い光を伴うは、剛破剣スキル突進2連撃【ダブル・アバランシュ】。
 通常の【アバランシュ】ですら威力の高さや、突進で距離をあけられる利点
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