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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第209話 最初の一歩
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ク停めて、ヘルメットの2つあって、ウチの生徒を待ってるんじゃないか、って。あのバイク、男子達が話してたけど、それなりに高いらしくて 学生に買ってあげる様な値段じゃないとかなんとかって。どんな子が乗ってるのかな……? って皆で そろっと見に行ったんだけど……」
何処か興奮したように両手を広げ、それでいて 声は最小限度に止めたまま、詩乃に豪語した。
「銀色がかかった髪の色の男の子でさっ。何だか 可愛らしいのと格好いのが合わさったぜーたくな優良物件だったって訳なのよっ! 怪我してるのか、頬とかに大きなばんそーこーも貼ってあって。ちょっぴりワイルドさもあって……、一目見て 良かったわ! 野球部のエースの菊池君も、霞む……とまではいかないけど、十分すぎる程勝負出来る! って思うの! まぁ 性格が良くないと……とは思うんだけど、それでも 高級バイクとタンデム走行出来るなんて、どんな豪の者なのかなー、って。あはは。悪趣味かな?」
――……いやいや、そこまで豪語した時点で もう遅いでしょ。
と思った詩乃だったが それを訊いた途端に、顔から血の気が引いたと同時に、特大・大火球が飛来し、顔面に直撃した気分になってしまっていた。絶対零度と溶岩マグマの
協奏曲
(
コンツェルト
)
とは 中々味わえない感覚だ。
だが、一先ず勝機を取り戻そうとする詩乃は慌てて時計を確認した。内心では否定したいのに、嬉しくもあり、と詩乃が2人に分かれたのか? と思える様な葛藤が只管終わりない戦争を繰り広げていた。
確かに、この時間で学校を出たところで待ち合わせはしていた。それは間違いない。送り迎えをする。と言ってくれて、あまり頼りすぎるのは と一度は否定をしたのだが 駅からはやや遠い事と、タクシーと電車の公共機関を使い合わせるのは 一人暮らしの身には答える出費だ、と言う事も頭に過った。そんな内情を悟ったのか、ただの偶然なのか、交通費の事、その方が断然早い、と言う事もあって 待ち合わせたのだ。
だけど、しかしよもや校門のど真ん中にバイクを停めて待ち構える様な大胆不敵な真似は……。
「……あ、あれ? しない、と思う」
「え? 何が?」
「あ、いえ、なんでも……」
詩乃は、彼のキャラを思い出しつつ、自分で考えつきそうになったのに、自分で否定をしてしまっていた。そもそも
彼
(
・
)
は目立つ事を好んではない。あの時の《撃ちゲークリア》の時だって、それを裏付けしているのだから。
でも、気になるのは事実だ。おそるおそる、と詩乃は身体をよせると、校門も向こう側の車回しを覗き込んだ。
「……あれ? 別に誰もいないけど……」
覗き込んだのだが、車回しの場所には バイクも無かったし、想像上の人物もいなかった。それはそれで、残念な気分 即ち
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