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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第209話 最初の一歩
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ら、隼人を抱きしめ続けただろう事は今でも判るから。
救急車の中でも、声こそは 押し殺していたが、涙は枯れる事なく 留まらずにゆっくりと流れ続け、更に病院で 隼人の義親である綺堂と再会した時は、更に泣いてしまった。何度も自分のせいだと、言い続けて。
事の顛末を知った綺堂は、肩を震わせて泣く詩乃の肩に優しく手を置いて、落ち着かせてくれた。その辺は 流石は歳の功と言った所だろうか、詩乃は次第に落ち着きを取り戻す事ができたのだ。
ただ、その後に出会った、
彼女
(
・・
)
との対面は、何やら複雑な感情が生まれかけてしまっていたが……、兎も角状況が状況だったから、と そちらも押し殺す事が出来ていた。
こうやって、考えていると 本当に時間が経つのは早く感じる。待つのも苦ではない。元々、
狙撃手
(
スナイパー
)
をしていた事も、少なからず影響があるのだろう。……考えている内容次第、とも言えるが。
ただ、この場で待ち合わせている人物には対しては、大いに不満があった。
いや、違う。……呼び出した人物を待つのは 不満であり 苦痛でしかない。
やがて、十数分が経ち 甲高い笑い声とともに、複数の足音が近づいてきて 苦ではないとも思える待ち時間、いや 対面する事を考えたら、待っている時間の方が幸福とも思える時間が終わりを告げてしまった。
完全に頭の中を切り替えた詩乃は、こわばった首の角度を戻して、白いマフラーをぐいっ と引っ張り上げると、闖入者たちを待ち受けた。校舎の北西端と、大型焼却炉の間の通路から姿を現したのは遠藤と、その取り巻きの2人だ。
「……呼び出しておいて待たせないで」
最初の第一声は、詩乃からだった。
あのBoB大会で幻覚を見てしまった時、確かにこの連中も目の前に現れた。あの時は 恐怖で 蹲り、何も出来なかった。だから、いざ本物に出逢えば また 弱い自分に戻ってしまうのでは? と不安も覚えていたのだが、なんて事は無かった。
――……暖かな温もりが、自分の背中を押し、それでいて守ってくれてる様な感覚が|現実
《ここ》でもしたから。
そんな詩乃の胸中をしる由もない遠藤は、笑顔を消して喚いた。
「朝田さぁ……、最近マジでちょっと調子に乗ってない?」
もうひとりも、似たようなイントネーションで追従する。
「ほんとー、友達に向かってそれちょっとひどくない?」
このやりとりから、この2人は何処まで行っても取り巻きなのだろう、と何処かで納得してしまっていた。恐らく、この先ずっと……同じなのだろうと。
確かに、以前までの詩乃であれば、効果的な
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