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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第209話 最初の一歩
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を殺めてしまった罰だと、何処かで認めていたかもしれない。でも、それでも あの日から毎日が地獄だった。……
心的外傷後ストレス障害
(
PTSD
)
の苦しみも、小学〜高校へと無限に続くとも思える苦しみ、苦行。
――……あの男。そして赤い血の涙で覆われた顔。黒い銃、《
黒星
(
ヘイシン
)
五十四式》これが自分の闇の全てだった。
でも……、そんな無間地獄から 救ってくれた。
ずっと、他人に縋る事は弱さなのだと決めつけていた。だけど、……
彼
(
・
)
が教えてくれた。
『オレは、1人じゃないから、1人じゃなかったから、今のオレがいるんだ』
強さを得ようとして、ただただ戦い続けてきた。他人を拒み、ただただ我武者羅に進んでいた自分に気づかせてくれて……そして、彼が、全てから助けてくれた。
『……幾らでも握ってやる』
そして、全てを知った上でも尚、一切躊躇う事なく、彼は自分の手を掴んでくれた。その手の温もりは今でも鮮明に思い出せる程だった。
『お前の闇は。……オレが封じよう』
その言葉の通り、……本当に 自分の中に何年も……何年もくすぶり続けた悪夢を。……闇を、彼は封じてくれた。
目の前に現れる闇。……悪夢を封じてくれた。悪夢と共に現れる男も、……そして、
黒星五十四式
(
もう1つの悪夢
)
も一緒に。目の前で蹴散らし、霧散させてくれた。
そして 仮想世界だけじゃなく、現実世界でも同じで救ってくれた。掴んでくれた手は 仮想世界だけじゃなかった。
「………」
詩乃は、この無間に広がる世界を、空の下で心を浮遊させながら、その青く高い空のキャンパスに描いたのは、昨日の事だった。
あの後、隼人はそのまま数分後にやって来た救急車で病院へと直行する事になったんだ。
あの時は、ずっと詩乃は 隼人の手を握り締めていた。救急隊員が駆けつけて、担架に乗せられて、運ばれていく時こそ、手は離したが それでも詩乃は追いかけ続けた。
――……自分のせいで。
詩乃は その想いが強かったからだ。
特に救急車に運ばれる、と言う状況がよりいっそう拍車をかけた。
『……詩乃を助けた事も、怪我をした事も気にしなくていい。……仲間を助けるのは、助け合うのは当然、だからな。そうだろ?』
隼人は、少しばかり照れくさそうにそう言っていた。
それでも、所々傷の痛み、スタンガンでの身体のダメージ、神経や筋肉にもまだ影響が残っている様で、満足に動かす事が出来ない隼人を見ると、どうしても 詩乃は平常心ではいられなかった。
あの時 隼人に、『今は、加減を……』と言われなかったら、もしも 和人が来てなかったら、大声でわんわん泣き続けなが
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