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逆襲のアムロ
19話 それぞれの休暇
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・」

アムロの話にテムが手を挙げ、遮った。

「いや、いいんだ。この話は色々複雑でね。この連邦の状態を危惧した議員からの要請でも有って、アナハイムはそれを飲んだんだ」

「へえ〜。そいつは渡りに舟だな」

「ああ、確かジョン・バウアーという政治家だ」

アムロはその人を知っていた。かつてロンド・ベルを再編に導いた実力者だった。歴史はまた自分に戦えと言うのかとアムロは感じていた。

テムはアムロに先のアレックス改修の話の続きをした。

「さて、話は戻して。アレックスの骨組みを替える。しかし、設計は継承するよ。各センサー系統も新型技術を入れていくつもりだ。そこでだ。この開発についての主任技師を紹介したい」

「ほう。親父じゃないのか?」

そうアムロが言うと、テムは首を振った。

「私はもはやロートルだよ。技術と人材の革新は早く、そして新鮮なうちにということだな」

しばらく経つとアムロの下へ1人の若手がやって来た。

「アムロ。こちらが若いがこの改修の責任者のオクトバー・サランだ」

オクトバーはテムに紹介されるとアムロに手を差し出した。

「オクトバーです。連邦の英雄に会えて光栄です。地球でのご活躍は宇宙にも届いています」

アムロはその手をしっかりと握った。

「ああ、宜しくお願いする」

アムロは心の中で役者が揃いつつあると感じていた。


* フォン・ブラウン近隣 月面上 アナハイム試験場 3.19


コウは宇宙換装されたGP01フルバーニアンのテストをしていた。
傍で宇宙服を身に纏ったニナが様々な試験を指示していた。

「コウ。そこで急速上昇」

「了解!」

この時期になると、コウとニナは互いに名前で呼び合うようになっていた。
堅苦しいことを抜きにして、試験機を仕上げていこうというニナからの勧めで互いの協力関係の円滑化を図った。

「ニナ!スラスターゲージがもうじきレッドに到達する。オーバーヒートするぞ」

「わかったわ。一旦レベルをゼロにして、慣性での飛行を・・・」

「よし!」

ニナの隣にモーラが座ってガンダムを見ていた。モーラが感心していた。

「へえ〜。彼の生真面目さはいいねえ〜。ガンダムを自在に操り始めてきたんじゃないの?」

ニナは鼻を高くして、モーラに言った。

「そりゃそうでしょ。指導がいいからね!」

そのニナの自慢にモーラはからかった。

「指導ねえ〜。あのコンビネーションはこの指導だけなのかな〜」

そのモーラの発言にニナが真っ赤になって怒った。

「っ!それどういう意味よ!」

ニナの怒りにモーラは両手を軽く上げあしらった。

「はいはい。まあ、色々あるさ〜。なあキース」

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