第二十一話:夕飯前の出来事
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……それならそれで、余計にこの妹がモテる理由が分からない。
やっぱり何が有ろうと、一にも二にも“見た目”なのか。
「ふんふんふ〜ん♪」
何があったのか、アイツは唐突にニンマリ笑ったかと思うと、臍も見えるほど丈の短い下着に近い恰好のまま、椅子の上で脚を交互にぶらぶら揺らし始めた。
普段ならば親父に見とがめられる所だが……今は居ないので、女の子だから云々と言った喧しい小言や、物理的制裁が飛んでこない。
……俺にぶん殴られたクセに、何故楽しげに鼻歌を歌っているのか疑問には思う。
が、よく考えればアイツはマリスと一緒に入っていたのだ、あの変態が満足しない訳がない。
殴られた所でおつりがくるレベルで、変態行為を思う存分堪能したのだろう…………将来が心配になってきやがる。
主に俺へ迷惑をかけないかで。
「ねぇねぇ兄ちゃん聞いて! マリスたんて肌スベッスベなの!」
「そうか」
興味がないので深皿を手に取り、その上にご飯を盛り付けていく。
マリスは文句タラタラ言われ、己の神経を逆撫でられぬよう多めに。
楓子は元々良く喰わないので少なめに。
当然俺の皿は無い。
不味くて仕方ないのだし、御袋も居ないのだから喰う必要性がねえ。
「それにシミ一つないんだよ! 何故知っているのかって……? ふっふっふ、何せ私とマリスたんは、一緒に隅々まで洗いっこしたのだ! だから詳細まで分かるのだーーーっ!」
「そうか」
「んもぅスッと障っていても飽きない、吸い付くようなモチ肌だったよぉ……ホントつるっつる!」
「よかったな」
主にセクハラで訴えられる対象じゃあ無くて。
何事にも寛大そうな奴で、ホントに良かった良かった。
俺だったら訴えてるな、確実に。
「思った以上に華奢な体してるからあたしでも抱きしめられるしオッパイなんてあたしよりもちょっと大きい位なサイズだって言うのに揉み応え抜群でお腹も太股もちゃんと引き締まっているのにプニプニで―――」
其処から先を耳からシャットアウトしながら、レトルトパウチの袋を手で切る。
切りこみが着いているから簡単だし、元々俺の皮膚は強い……それでも加熱された袋を熱いとも思えないのは、やはり体が変わった影響によるものなのだろうか。
そもそも俺の身体に何の変化が起きている?
味覚の変化に飽き足らず、ロザリンドとの決戦時の【天使の羽衣】破り、果ては大小の危機に応じて“予感”が走るという動物もかくやのシックスセンス。
……使えるものはなんだって使おう……手段が限られた今確かにそう思えるが、それにしたって一辺も情報が無いのは正直不気味だ。
これもマリスの言っていた【異なる概念】の影響
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