第二十一話:夕飯前の出来事
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と呼ばれる虫を、代わりに愛でた方がまだ何ぼかマシだと、言いきってもいい位に俺はこいつを可愛いとは決して思えない。
その所為で、俺はコイツが多数の異性から恋慕されているのを結構忘れてしまう。
……本当に、何故この愚妹がモテるんだ……?。
「……楓子、モテモテ?」
「好きでもないのに誘われると、断るのにも苦労するから迷惑なんだけどね。やっぱり二つ返事で了解できる相手からならいいのにさぁ……(チラリ)」
言いながら此方へ視線を向けてきた楓子。
その視線が微妙に煩わしい。
「そうか。なら、その相手を見つけるこったな」
何が言いたいのかは知らねえし、知りたくもない。
なので、俺は至極何時も通り返した。
「……兄ちゃんの馬鹿……」
大きな溜息をつかれた……溜息つきたいのはコッチだ、阿呆。
厄介な設定ばかりたち上げて、心労をコレでもかと増やしやがって。
オマケに周りの事を考えての行動やこれからの損得に鑑みた行動が、結果的に楓子の為へと繋がっているこの現状。
正直……言葉にできないが敢えて例えるなら、何か『嫌』と言う感情一色だ。
別に不幸に塗れて地べたを這いずれ―――などと極端な不幸を願っている訳でもなく、寧ろそうなったらなったで普通に嫌なのだが……。
そんな此方の心境など知る由もなく、沈んだ顔から一転、目を輝かせてマリスへ詰め寄る。
「マリスたんのお誘いだったら大・大・大歓迎! もう空の果てから地の其処まで、何処までだってお供しちゃうよっ!」
「……ケーキと言う物に興味がある。……なので教えてほしい」
「オーケイオーケイ、オールオーケイ! 今度二人で行っちゃおうか! 良い店知ってるよ〜……パフェの突き合いっことかぁ、ジュースにストロー二本差しとか! いっぱいやっちゃおうねっ☆」
何時の間にか話が強烈に脱線している。
俺はただ単に返答しただけなのに、一体何が引き金となってここまで進みやがったのか。
そんなバカ二人のお気楽さに、再び誘発した頭痛と怒りを覚えながら、俺は強引に話を戻す。
「携帯無いなら家の電話を使え」
「無理。パパとママの携帯番号知らないもん」
「なら俺のを使え」
言いつつあの激闘でも壊れなかった、意外と丈夫な己の携帯を楓子へ放り投げて……次に目線を向けるはマリスの方だ。
余りにも必死だった為見えなかったが、今マリスの顔は火焔と電撃の所為で煤まみれ。
体の各所も差異あるだけで同様であり、これ以上室内を歩かせて無駄に家を汚して仕事を増やしたくは無いし、見た目的にもよろしくは無い。
裏を返せば汚れ以外に目立つ物など無い、と言う事に他ならない。
味方側ならば|【天使の羽衣】《
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