二話 鏡の自分
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人気は全く無く、絶えず人ならざる者の声が辺りに響き渡る。
すると、前方の遠くの方で取り分け大きな呻き声がした。それはまるで何かを脅す時のような、威嚇にも似た
声だった。
青年は最悪の事態を想定し、声のする方へと向かった。
ポロニアンモールの噴水広場ー
そこには、黒い影の様な化物と、紛れもない人間が立っていた。
「逃げるが勝ち!」
影と対峙していた青年は、走って逃げようとした。
「っ!あのバカ!あれじゃ追い付かれるし、奴等の気を引くだけだ??!」
そう言った青年は走りだし、後ろから思いっきり斧を降り下ろし、影を押し潰した。
「大丈夫か?」
そう話しかけると、ダルそうな顔をした青年が答えた。
「大丈夫じゃない、なにあれ」
「まあ後で話す」
その返答に直ぐには答えられないと言いたげに、答えた。
「取り敢えず、付いてこい」
そう催促し、男二人は奇妙な裏路地を歩き始めた。
「ねぇ、あんた名前何て言うの?」
青年が軽口を叩くかの様に聞いてきた。
「????黄乃 慶平」
「へぇ〜、俺は玻座間 結城ってんだ」
そう言って、結城は慶平隣に並んだ。
「何だ???」
慶平は結城が隣に並んだのを不快そうに見つめながら言った。
「いや、何となく?」
そんな事を話していると、目の前にさっきのより、大きい二足歩行をする巨人の様な化物と鉢合わせた。
「チィ、こんな時に限って????!」
そう言って、慶平は腰に手を回す。
そして、ベルトに付属されていたホルスターから拳銃を取りだし、こめかみに当てて、引き金を引くと同時に、こう叫んだ。
「ペルソナァッ!!」
激しい音と共に、慶平の頭上に何かが出現した。
その容貌は、まるで人形のようだった。
至るところに継ぎ接ぎの後があり、右足の膝と足の付け根を繋いでいるのは脛では無く、錆びた鉄パイプが二本、辛うじて繋がっている粗末な物だった。
右手の指先からは糸が垂れ、その糸と繋がっているマリオネットがいた。
顔は麻袋で顔を覆い、頭の継ぎ接ぎから脳が露出していた。
目、鼻、口、耳等はなく、目の代わりに鉄に縁取られた穴が二つ空いていて、口の所にはフィルターの様な物が付いていた。
背中には斬馬刀らしきものを背負っていた。
“ペルソナ”と呼ばれる者は、巨人に向かって斬馬刀を振るった。
切られはしたが、外傷は無い。だが巨人は苦しそうに悶えた。
巨人は怒り、慶平に向かって走りこみ、拳を振り上げた。
慶平は、殴られた反動で弧を描くように飛び、地面に倒れ込んだ。
その衝撃で、懐に入れていた自分とは別のタイプの“召喚器”が飛び出した。
「うぅ、クソ???」
慶平は呻きながら立ち上がり、結城の安否を確認するため結城を見
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