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神の贖罪
8部分:第八章
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我等にある!行くぞ!」
「そうだ、勝利を手に!」
「行くぞ!」
 ヘスペリデスの者達は今三人と共にフォウォールの大軍に横と後ろから突っ込む。霧に視界を阻まれ彼等の攻撃も受けたフォウォール達は為す術もなく倒されていった。こうしてヘスペリデスの危機は去り彼等は恐ろしい敵を倒すことができたのであった。
「やった、やったぞ」
「これでもう奴等の脅威から」
「いや、まだだ」
 しかしここで三人は勝利に沸く彼等に対して言うのだった。
「まだだ、ここはな」
「まだですか?」
「何故」
「フォウォールの害はこれだけではない」
 こう彼等に告げるのだった。
「これだけではな」
「といいますと」
「死体だ」
 三人が言うのはこのことだった。
「この者達の死体は毒となる」
「毒に!?」
「そうだ。だからこそ」
「死体は全て焼く」
 こう言うのだった。
「全て。幸い死体は一つに集まっている」
「だから。ここで」
「そうか、わかった」
 龍が彼等の話を聞き終えてその百の頭で頷いた。
「その死体を焼けばいいのだな」
「そうだ。それでいい」
「後はその林檎を灰に置けばいいだろう。どんなものでも治すその林檎をな」
「わかった」
 龍は彼等の話を聞いて満足そうに頷いた。
「それならな。すぐに焼こう」
「すぐにか。それがいい」
「わしが魔術を使う」
「火も使えるのか」
「ついでに言えば吐くこともできる」
 実際に頭の幾つかから火を吐いてみせる。やはり彼の強さは神に等しい。
「これでもいいな」
「うむ、とにかく焼くのだ」
「そして林檎を置けばいい」
「よし。ではこれで話は終わりだ」
 龍は満足そうに三人に告げた。
「持って行くといい」
「林檎をか」
「そうだ。それだけの世話になった」
 龍の言葉は満足そうに笑っていた。
「世話になった分は返す。だからな」
「では有り難く受け取っておくぞ」
「遠慮なくな。本来はここで宴でもといきたいのだが」
「それはまた今度にしてくれ」
 三人は笑みを浮かべてこう龍に返した。
「今度な」
「まだ旅を続けるのだな」
「そうだ。だからだ」
「では。さらなる活躍を祈るぞ」
 龍のこの言葉を受けヘスペリデスの国を離れた。三人の手には黄金の林檎があった。彼等はここでまた一つ旅の使命を終えたのだった。そして次の旅の先であるイローダの国に着いた。イローダ王はまず三人と会った。話をすればもう三人のことは知っているようだった。

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