第5話 拳で語れ
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「あ……えと……」
「ほれ。わかったろ? 今のナツはお前さんと大体おんなじ気持ちって訳だ。ゼクトは強いから、戦ってみたいんだろ。ぶつかり合いから、伝わる事だってある。分かり合える事だってある。……傷つけるだけじゃないんだぜ? それも知ってるだろ?」
ギルダーツはそう言うと、最後にゼクトの頭を撫でた。……安心出来る様だった。先程までの考えが露と消えていくのが、ゼクトは判った。
「え、っと……う、うん。わかった」
ゼクトは、頷いていた。
「マジか? いよっしゃーーー! お前に勝てたらギルダーツにだって勝てるぞーー!!」
ナツは、ゼクトの言葉を訊いて、盛大にガッツポーズを見せていた。勿論、炎を迸らせて。……ギルドに燃え移ってしまわないか、ちょっと心配だったりしたのは、こちらの話。
「はぁ? ってかよーナツ。いつの間に、オレがゼクトより弱えーってことになってんだよ。ただ、アイツは強えーぞ? って言っただけだろ?」
苦笑いをしながら、ナツにそう言うギルダーツ。だが、確かに、あの時ゼクトは、『まいった』とは言わなかったな、とも思い返していた。
そして、ゼクトに近づいて一言。
「(だけどな。あんまし、思いっきりやらねえでくれよ? オレはお前さんの力はわかってるつもりだ。ナツは、まだまだ発展途上。発展途上と言う意味では、お前も同じだと思うが……、現時点では、お前が思いっきりやったら、正直シャレじゃすまねえかもしれねぇ。命とらねーくらいにボコボコにしてやれ)」
ギルダーツの物言いは、ナツを心配しているのか、それともゼクトに物騒な事をけしかけてるのかが判らなかった。当然、ゼクトがやり過ぎる様な事をする筈もない。
「え…、えっと。ま…まあ、とりあえずやってみます」
ギルダーツにそう言うと、意気揚々と外へ出て行くナツに付いていったのだった。
医務室に残ったのはギルダーツとマカロフだ。。
「ギルダーツ。すまんかったのぉ……。ワシとした事が、ガキの気持ちをわかってなかったわい」
マカロフはギルダーツにそう言って謝罪をしていた。
あまりにも、喧嘩が日常茶飯事になってしまっていたから、極普通な感覚が薄れてしまったと思ってしまっていた。
「なぁに……、それは仕方ねーさ マスター。アイツとの、ゼクトとの付き合いはオレの方が長げーんだ。……オレとゼクトは、一度、ぶつかり合ってるからな? 力いっぱいぶつかり合うってのは、これ以上無いコミュニケーションだって思ってるよ。だから、今回の事も丁度いいってな。ナツとぶつかりゃ、ギルドの連中とも思いっきり行けるだろ。………でもなぁ」
ギルダーツはそういった後、ちょっと歯切れを悪くしていた。
「ん? ど
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