二十六話:舞台の終わり
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ディ。
神々の黄昏が、悲しみの運命の滅びが約束された一撃。
『ブレイカーッ!!』
三人による最大攻撃の同時発射。
空間そのものを揺るがすかのような振動が見守る者達の体を震わせる。
波が荒立ち、雷が暗闇を照らす。三人の攻撃が交じり合い赤とも青とも黄色とも言えるようなエネルギーの柱が闇の書の闇を中心に天に昇る。
そして、耳をつんざくような音を立てて爆発を起こす。
だが、その爆炎は不思議なことに虹色を浮かべ、成功を祝福しているかのようだった。
「本体コア……捕まえた!」
その成功に背中を押されるようにシャマルも旅の鏡でコアの摘出に成功する。
かつては共に主を守るために戦ってきた者達が争い合うという現実に少し胸が痛むシャマル。
しかしながら、主の幸せこそ防衛プログラムも望むことだと思い直し、声を上げる。
後は、これを転移させれば自分達にできることは終わりなのだ。
「強制転移……目標は軌道上!」
「いくよっ!」
ユーノとアルフが闇の書の闇に逃げられないように転移魔法陣で挟み込む。
その間にもコアは再生を続ける。このチャンスを逃せば恐らくは二度と封印できないだろう。
だからこそ、魔力と想いをありったけ籠めて三人は叫ぶ。ただの二文字を。
『転送ーッ!』
巨大な虹色の転送陣が現れ、コアの転送を開始する。
ここから先はアースラで指揮を執っているリンディの仕事だ。
転送されながらも再生を続ける相手を倒すために完璧なタイミングで。
完璧な威力で、アルカンシェルを放つ。
「アルカンシェル、発射!」
最終ブロックを解除するキーを接続したことで三重の魔法陣が砲口に展開される。
そして、青白い極光が闇の書の闇目がけて襲い掛かる。
撃ち出された魔力弾そのものにはそこまでの威力はない。
しかし、着弾後一定時間の経過によって空間歪曲と反応消滅が発生する。
その効果範囲は発動地点を中心に百数十キロに及び、対象を跡形もなく殲滅させる。
かつての闇の書事件の時にもクライドと戦艦、そして闇の書事葬った武装。
それこそが、アルカンシェル。
「お願い…!」
必ず滅ぼせるように、悲しみの連鎖を断てるように、天国の夫に祈るリンディ。
空間歪曲と反応消滅がコアを中心にして起き始める。
宇宙という何も存在しない空間であるにも関わらず、巨大な音を幻聴してしまうかのような爆発が起きる。
様々な魔力光が辺りを明るく照らし出し幾重にも広がる光の輪が作り出される。
最後に赤い一筋の閃光を放ち完全に反応は消える。
「コア……完全消滅。再生反応―――ありません!」
エイミィの嬉しさを押し殺し切れていない声がアースラ内部に
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