第1章:平穏にさよなら
第18話「協力」
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たらしい。
「昨日の時点で、彼女は一度カタストロフに襲われた。その時は彼女の友人が身を挺して時間稼ぎをして庇ったそうだが...。その名残がこの回収した刃先だ。」
クロノさんがレイピアの刃先をテーブルに置く。
「かやのひめさんはその後も逃げ続け、今日の魔力反応があった場所...確か八束神社だったか?そこへ辿り着いた。そして、彼らも神社に来た時に、再度カタストロフに襲われたと言う訳だ。」
「もしかして...その友人は...。」
気づいてしまった様子で、八神さんは恐る恐る口にする。
「....最期まで、私の事を庇ってくれたわ...。」
「っ.....。」
かやのひめさんのその一言で、八神さんは察して俯く。
「聞き方が悪くなるんだが、どうして他の人は無事なんだ?」
「あぁ、それは...。」
織崎の質問に、クロノさんが僕に視線を向けてくる。...説明しろって事か。
「...最初は緋雪が他の三人を護衛、僕が奴らの相手をした。...当然、敵わないから途中から緋雪も援護に入ったんだけどね。...その結果が、人一人の犠牲だ...。」
〈それと、厳密には無事ではありません。マスターは無茶な動きを連発したため、脳と身体にダメージがあります。〉
「って、リヒト、ばらすなよ...。」
確かに体の節々が痛いし、頭痛も少しするけどさ...。
「っ、どうして言わなかったんだ!?とにかく、早く医務室に...!」
「それは大丈夫だ。特に支障はきたさないし、後遺症は残らないからな。」
クロノさんが医務室へ連れて行くように手配するのを止める。
「それに、うちのリヒトは優秀だ。こうやって話している間にも、治癒は進んでいる。」
〈ええ。まだ短い付き合いですが、無茶をするのをやめないというのを理解するくらいには優秀だと自負しております。〉
「ぐっ...耳が痛い...。」
確かに無茶ばっかしているけどさ...!
「...以前から魔法を使っていたのか...?」
「あれ?知ってるんじゃないのか?以前、そいつに襲われたのを。」
僕は王牙を指してそう言う。
「まぁ、リヒトを持つようになったのは、それよりさらに前だけどな。」
...おや?王牙の様子が....?
「そういやてめぇ!よくもあんな卑怯な事しやがったな!!」
「....は?」
どうやら王牙の中では先日のあの戦いは卑怯な勝ち方になっているらしい。
「司を誑かして、あんな勝ち方しやがって!モブの癖に調子に乗ってるんじゃ―――」
―――ヒュン!
「―――えっ?」
王牙の顔の横を水色の矢のような物が通り過ぎる。
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