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東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
episode4:程度の能力
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を流し込む。消費した魔力が戻ってくるのが感じられた。

「あら、察しが良いのね。その通り、原因はこの異変を起こしたくて起こした訳じゃないの。ただ暮らしていたら、自然と起きていた。それだけよ」

「暮らしていたら幻想郷を丸ごと巻き込むレベルの異変が起きるって……どんな大妖怪だよソイツは」

「あら、原因は貴女もよく知っている半神よ」

 唐突な答えに、思わず口に含んでいた水を噴き出した。

「嘘つけ!ヒメノにそんな大層な力があるか!」

「話は最後まで聞きなさいな。彼女が原因とは言ったけど、彼女の力が原因とは言ってないわよ」

「?」

 訳が分からん。他に何があるというのか

「まず今回の現象だけれど……これは日食と言ってね。外の世界で起きる自然現象よ」

「外の世界って事は、幻想郷では本来起きない現象って事か?」

「ええ、外の世界では科学的に証明されている事だもの。幻想でもなんでもないわ。だから、この日食は幻想郷に流れ込んだ『現実』が原因なの」

「……つまり、外の世界から来たヒメノに纏わりついてた『現実』が今回の原因って事か。んじゃなんで異変が解決されたんだ?」

「簡単よ。ヒメノが『幻想』になったから。それだけの話。後は帰って自分の目で確かめなさいな。今の私は機嫌が良いから特別に人里まで送ってあげるわ」

「お、おい、まだ話は──!」

 景色は暗転し、浮遊感が体を襲う。次に光が目の前に飛び込んで来たのは……

「うごっ!?」

「あだっ!?」

 ヒメノの横に佇む霊夢の頭に、後頭部から飛び込んだ時だった。

 この後、事情を説明しようとする魔理沙に問答無用の弾幕が襲いかかるのだが、それはまた別の話──


























 ──後に、八雲藍より稗田阿求に提出された報告書より抜粋。

 今回の異変の原因を調査した所、その原因はヒメノを筆頭とする外来人達が纏っていた『現実』であった事が判明した。『現実』は外来人達を伝って幻想郷に溜まっていき、ヒメノの特殊な『現実』を受けて幻想郷に一つの『自然現象』を齎した。
 本来これは外の世界にも存在しないものであるが、ヒメノは外の世界と極めて酷似した別時間軸より転移してきた事が判明している為、そちら側の現象と推測される。ヒメノ曰くこの現象は『日食』というもので、公転軌道が交差した太陽と月によって起こる──即ち、遠近法によって月が太陽を覆い隠す現象であるとの事らしい。幻想郷でのこれは下級妖怪を活性・凶暴化させる効果が存在し、今回の妖怪達の暴動はそれが原因と思われる。例外として風見幽香が異変の影響を受けていたが、紫様曰く「彼女は面白そうだからあえて異変
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