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東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
episode4:程度の能力
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ようだ。体の半分が焼け焦げているが、妖怪ならばあの程度数日で回復するだろう。
 ……まぁ、目的は達したらしい。

「ェ……ぁ……?」

 炎の直撃を受けた何体かが、力なく横たわっている。勿論重度の全身火傷。起き上がれるはずもない。勿論再生可能な程度だが、それでもダメージは凄まじいものだったのだろう。

 道は開いた。


 ──ズバンッ!

 ヒメノの体が霞む。
 破裂するような音が響き、ヒメノは走り出す。これまでとは比べ物にならない早さだ。九尾の狐の身体能力はやはり、尋常ではないらしい。慌てて妖怪達が追随するが、追い付くどころか距離は離される一方だ。というか、追い付かれたら逆に驚く。九尾の狐と同レベルかそれ以上の妖怪が攻めて来てるとか考えたくもない。

 と、十分に離れた。後は──

「第七術式──『閉塞』」

 再び印を結ぶ。胸に手を当て、心臓から溢れる魔力を術式に張り巡らせる。

 ──昇。
 光の柱が立ち上る。天高く昇った光は、ヒメノの指示を待つためにその動きを止める。

 ──開。
 光は花開く。左右に伸びた光の束は妖怪達を覆うように……

 ──囲。
 伸びた光は、たちまち妖怪を囲い込んだ。逃げ場の無いように、その糸を通していく。

 ──廻。
 魔力が循環する。廻る力は、妖怪達には手出しが出来ないほど強大な壁となる。

 ──閉。
 未来を閉ざす。その力が溢れ出し、内なる世界へと侵食を始める。

 ────隔絶。

「『閉じよ、真空』。」

 パン!と、両手を打ち合わせる。
 ──同時に、結界内の光が、妖怪達を押し潰した。

 すぅ……と、光が収まれば、その光景が目に入る。妖怪達はピクリとも動かず、気を失っている。勿論死んではいない。時が経てばその内目を覚ますだろう。


 感想。



 ──俺TUEEEEEEE!!いや女だけど!そもそもこれらんしゃまの力だけど!それでもTUEEEEEE!らんしゃまTUEEEEE!

 まあ、率直に言えば私……ヒメノの能力は、『他者の力を借りる』能力らしい。勿論細かい制限はあるが、取り敢えず今はそう言っておこう。

 借り物の力ではあるが、取り敢えずは窮地を脱したので良しとする。先ずは……


「大丈夫?怪我してない?」

 取り敢えず、倒れている少年を助けるとしよう。怪我もしてるしね。
 ……あれ?なんか少年の目が怯えてるような気がしないでもないんだけど……何故に?

「お姉ちゃん……それって……」

「ん?…….あ、やっべ」

 そうじゃん。今の状況見たら確実に私人間に化けてた妖怪扱いじゃん。私完全に九尾の狐じゃん。九尾の狐って化けるの超得意じゃん。

 ……あり?詰んで
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