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ウイングマン バルーンプラス編
4 避難
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い。何をしてくるのかわからない。
だから久美子は、相手の動きはこれ以上ないくらい警戒をしていた。
ただ、好奇心には勝てなかったのだ。
ゆっくりとした歩みで、着実にターゲットへ近づいていった。

「美紅ちゃん……」
桃子とアオイもハラハラしながらその様子をうかがっていた。
久美子はカメラを構えている。
美紅は絶体絶命のピンチに陥っていることは明白だった。
久美子が柱に近づき、裏をのぞこうとすると、美紅はさっと反対側に逃げた。
またその先をのぞこうとすると、美紅はその先へ。
しかし、そんな追いかけっこが長く続くわけもなかった。
「危ない美紅ちゃんっ!?」
美紅のピンチに思わず桃子が飛び出してしまった。
その声に久美子は後ろに振り返った。
その瞬間――



3.
「ポドリアルスペースっ!!」
アオイが両手を高く上げてクロスさせて叫んだ。
周りの風景の天地がいきなり逆さまになって、時間が止まった。
桃子は飛び出した勢いあまってこけそうになった。
美紅はゆっくりと柱から顔を出した。
「アオイさん、ありがとう。助かったぁ〜」
久美子は驚きの表情のまま逆さになって固まっていた。
桃子の姿を久美子が見たかどうかはさだかではない。
ただ、時間が動き出したときには桃子の姿はなくなっているのだから、きっと幻を見たと錯覚するに違いない。
とにかく目の前の危機は去った。
美紅と桃子はホッと胸をなでおろした。
「でも、大丈夫なんですか?」
美紅の素直な疑問にアオイは浮かない表情を浮かべた。
その表情からゆっくりしている場合ではないことはすぐに理解できた。
「五分五分ね。とにかく急がなければいけないことだけは確かよ」
アオイはそう言うと駆け出した。
「美紅ちゃん、桃子ちゃん、走って!」
今のパワーでは7分程度が限界だ。
桃子の家までのんびりしていては7分では到着できない。
全力疾走をしなければ間に合わないほどではないかもしれないが、何があるかわからない。
休憩に至るまでの移動の経験上、敵からの横やりでポドリアルスペースが解消されることはないと踏んでいた。
「アオイさん、何も急がなくても10分もかかりませんよ」
桃子は先を急ぐアオイを追いかけた。
ただ、桃子も美紅もアオイに追随してスピードを上げた。
「今回はもって7分程度よ」
そう言われれば、のんびりはしてられない。ゆっくりしていれば、桃子の家までは到達できない可能性は高い。
もし途中で時間切れになってしまえば大変なことになってしまう。
時間切れになれば、そこは恐らく、桃子は自分の家の近所だ。
トイレットペーパーの晒しに下半身はほとんど何も身に着けていない、しかも胸の晒しも汗でベトついて乳首はうっすらと見えている。そんな状態でポドリアルスペー
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