八百万1章
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、何のためにこの列車を乗っ取ったと思うんだ!こうして用心棒まで雇ったんだ、今更引けるかよ!」
吹っ切れたように切りかかってきた。
大盾の男が援護に入り、対峙したのは用心棒だった。
「どるぁ!」
大振りの振り下ろしを難なく躱した。そこに大盾使いの体当たりが用心棒に入る、しかし当たりが悪かったのかよろけるだけで決定打とはいかず用心棒はにやりと笑った、突進しつつ背中の剣を抜きざまに振り下ろす、剣と剣が交差して派手に火花が散った。キリキリと嫌な音を立てる、数秒間拮抗していると、横からもう一度体当たりが飛んできた、
(まだだ!ギリギリまでひきつけるんだ)
自分にも当たるすんでの所で身を引いた。しかしそれは用心棒も読んでいたようで腕を突き出すようにして身を引き避けられてしまった。
(まずい!)
振り下ろされた大きな刃が近づいてくる、だが慌ててしまい足がもつれた。
「っ!」
ギイン!
目の前で閃光が迸る。
「なっ?」
寸での所で大盾使いが間に入り守ってくれていた。
「はあぁ!」
盾で剣を押し返す、そのよろめいたがら空きの懐に全力の一撃を叩き込んだ
「おらああああぁぁぁ!」
「ふぐぅ」
鮮血を滴らせつつ用心棒は倒れこむ。そして倒れたまま両手をひらひらと振り
「あー、参った俺の負けだ」
と、ポーションを取り出しつつケロッとしたまま起き上がった
「いやー強いね〜これ以上やってたらあぶなかったぜw」
用心棒はポーションを一気にあおり剣を鞘に納め立ち上がった。
「あんた、戦わなくて良いのか?」
面食らいつつもおそるおそる尋ねると
「いーんだよ命あっての傭兵稼業だろ?、もう金はもらってるしこれで給料分だ」
ポーションを余分に2つ取り出し、大盾使いと俺に投げてよこした。瓶の蓋を開けつつ横目で見ると、他の戦いは終わっていて盗賊はロープで縛られていた。
盗賊たちをひとまとめにして車両の隅に放置していた、T息つき列車が駅に着くのを待った。
みんな自分の傷を治すなど、思い思いのことをして賑やかにしていた、俺は剣を拭きつつぼんやりと考えていた。
(盗賊たちは何が目的だったんだ?兄貴を解放すると言っていたが誰だ?)
そうこう考えているうちに、列車が駅に到着した。
駅のホームで地方憲兵が待っていた。
「犯人逮捕、ご協力ありがとうございます!」
そうして憲兵は盗賊たちを連れて行った。
乗客たちは俺たち冒険者にお礼を言いながら降りて行った。
駅を出てすぐ、後ろから用心棒に声をかけられた。
「おう、お疲れさん、お互い気を付けていこうや」
「あんたは捕まえられないのか?」
「俺は盗賊じゃないし、ばれなきゃいーの」
そんなことでいいのか、となかば呆れつつ人ごみの中に消えていく背中を見送った。そして俺も活気あふれる街へと足を進めた。?
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